1回の透熱灸による生体反応で正しいのはどれか。
正答:2
正答:2
透熱灸(有痕灸)は局所に熱傷(炎症)を起こす刺激であり、炎症反応として血管透過性の亢進・補体の活性化・肥満細胞の脱顆粒(生理活性物質放出)などが生じる。選択肢のうち炎症反応として正しい方向を示すのは『補体の活性化』である。他の3つは炎症で実際に起こる変化と逆向き(抑制・延長)に書かれている。
1回の透熱灸による局所の生体反応(炎症反応)として正しいものを選ぶ問題。炎症で起こる変化の方向(亢進・活性化・促進)を正しく選べるかを問う。
教科書では、補体は血漿タンパク質で抗原抗体反応が引き金となりカスケード反応で活性化する炎症メディエーターであり、血液凝固系・キニン類とともに血漿由来の炎症メディエーターに含まれる。炎症では血管透過性が『亢進』し、肥満細胞からヒスタミン等が放出(脱顆粒)される。したがって透熱灸の炎症反応として正しいのは補体の『活性化』であり、透過性抑制・脱顆粒抑制・凝固時間延長は炎症の方向と逆である。
4択のうち3つが『抑制/延長』と炎症と逆の方向で書かれており、正答だけが『活性化』と炎症の方向に一致する。炎症は全体に『亢進・活性化・促進』方向であることを基準に、方向の正しい選択肢を選ぶ。
教科書の『炎症を制御する液性因子』では、血漿由来の炎症メディエーターとしてキニン類・血液凝固系・血液線溶系の因子が挙げられ、これらは非活性型前駆体として血漿中に存在し炎症刺激により活性型となる。補体は血漿タンパク質で抗原抗体反応を引き金にカスケード反応で膜侵襲複合体を形成する。肥満細胞は炎症の場に出現しヒスタミン等を放出する。これらは『炎症=活性化・亢進』の方向で起こるため、設問の正答は補体の活性化となる。
正しい1つ(活性化)に対し、残りを『抑制・延長』へ反転させて作る典型的な方向反転トラップ。炎症の基本方向(亢進・活性化)を1つだけ満たす選択肢を選ぶ。
教科書『熱傷(炎症)』の節で、炎症を制御する液性因子(血漿由来:キニン類・血液凝固系・線溶系・補体/細胞由来:ヒスタミン・セロトニン・ロイコトリエン・プロスタグランジン等)を確認する。透熱灸が局所に炎症を起こす刺激であること、炎症は血管透過性亢進・補体活性化・肥満細胞脱顆粒など『亢進・活性化』方向で進むことを押さえ、方向反転の誤選択肢を見抜く練習をする。