生後3か月の女児が乳児健康診査で股関節開排制限を指摘された。診察で誤っているのはどれか。
正答:3
正答:3
股関節開排制限は発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)を疑う所見。診察では大腿皮膚溝の左右非対称・開排制限・超音波検査などが用いられる。ラックマン徴候は膝前十字靱帯機能(ACL損傷)の検査であり、股関節の診察として誤っている。
発育性股関節形成不全を疑う乳児の身体診察として適切でない(誤っている)選択肢を選ぶ問題。股関節の診察手技と無関係な検査を見抜く。
教科書は先天性股関節脱臼の乳児期症状として、大腿皮膚溝の左右非対称(患肢で数が多く深く長い)・股位異常(開排制限・内転内旋位)・下肢短縮(アリス徴候)などを挙げる。一方ラックマン徴候は膝の前十字靱帯損傷を評価する検査であり、股関節形成不全の診察項目ではない。教科書解説でも『ラックマン徴候は前十字靱帯機能でみられる』とされる。
『◯◯徴候』という名称が並ぶと股関節に関係しそうに見えるが、ラックマンは膝(ACL)専用。股関節脱臼ではアリス徴候(下肢短縮)・クリック音・トレンデレンブルグ徴候が関連し、ラックマンは無関係。徴候名と対象関節を正しく結びつける。
教科書記載の先天性股関節脱臼の乳児期所見は、(1)股位異常(内転内旋位・開排制限)、(2)下肢短縮=アリス徴候(立て膝で患側の膝が低い)、(3)大腿皮膚溝の左右非対称、(4)寛骨臼の空虚(大腿三角で骨頭を触れない)、(5)歩き初めの遅延、(6)トレンデレンブルグ徴候、(7)跛行。新生児期にはクリック音(屈曲外転時の脱臼・整復で触知)も。これらが正規の診察項目で、ラックマンは含まれない。
『誤っているのはどれか』の否定形問題。正しい診察3つに混じった無関係な検査(他関節の徴候)を選ぶ。徴候名→対象部位の対応(ラックマン=膝ACL)を即答できるかが勝負。
発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)の乳児診察を整理する。視診・触診で股位異常(内転内旋位・開排制限)、大腿皮膚溝の左右非対称、アリス徴候(下肢短縮)、クリック音。画像は超音波断層が有用(骨化未熟)。トレンデレンブルグ・跛行は歩行開始後。ラックマン徴候・前方引き出しなどは膝ACLの検査で股関節とは別物、と整理しておく。