非代償性肝硬変でみられる血液検査所見はどれか。
正答:2
正答:2
肝硬変は慢性肝疾患の終末像で、肝臓全体が偽小葉(再生結節)に置き換わった状態。症状を伴わない代償期と、黄疸・腹水・肝性脳症を伴う非代償期に分けられる。非代償期では慢性の肝機能不全と門脈圧亢進症が前面に出て、血液検査もそれを反映した異常を示す。
非代償性肝硬変で実際にみられる血液検査の異常を1つ選ぶ問題。肝機能低下と門脈圧亢進という2つの病態が、どの検査値をどちらの方向に動かすかを問うている。
教科書の肝硬変の診断所見は『肝細胞障害の所見(AST・ALT上昇、アルブミン低下、プロトロンビン時間延長)、門脈圧亢進症の所見(腹水、脾機能亢進による汎血球減少)』とされる。門脈圧亢進で脾臓に血球がうっ滞・破壊され、汎血球減少(赤血球・白血球・血小板の減少)が起こる。血小板減少はその一部であり、肝硬変の典型的な血液所見である。
肝硬変の検査異常は『肝細胞障害(合成能低下)』と『門脈圧亢進(脾機能亢進)』の2系統に分けて覚えると整理しやすい。アルブミン・プロトロンビン時間・ビリルビンは肝細胞障害系、汎血球減少(血小板減少)は門脈圧亢進系。方向を逆にした選択肢(短縮・低下・上昇)に引っかからないこと。
Child-Pugh分類はビリルビン・アルブミン・腹水・肝性脳症・プロトロンビン時間活性の5項目で重症度を評価する。値が悪化する方向(ビリルビン上昇、アルブミン低下、プロトロンビン時間活性低下=延長)が高点数=重症となる。非代償期はこれらが進行した状態と理解できる。
正しい検査値の『動く方向』を逆にして誤答選択肢を作る典型パターン。ビリルビン低下/プロトロンビン時間短縮/アルブミン上昇はいずれも正常な肝細胞機能を示す向きで、肝機能不全の方向と逆。
肝硬変の診断所見を2系統で整理する。(1)肝細胞障害の所見=AST・ALT上昇、アルブミン低下、プロトロンビン時間延長。(2)門脈圧亢進症の所見=腹水、脾機能亢進による汎血球減少(=血小板減少を含む)。代償期はクモ状血管拡張・手掌紅斑・女性化乳房、非代償期は黄疸・腹水・食道胃静脈瘤破裂・出血傾向・肝性脳症。3大死因は消化管出血・肝細胞癌・肝不全。