「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」退院時には屋内歩行が可能となったが、箸がうまく使えなかった。退院の準備として正しいのはどれか。
正答:4
正答:4
本症例は退院時に屋内歩行が可能となっており、移動(歩行)は自立しつつある。一方で箸がうまく使えない=上肢・手指の巧緻動作(食事動作)に障害が残っている。残存機能を活かしてADLを補うため、退院準備としては食事に対する自助具の作製が適切。
頸髄損傷患者の退院準備として、残存機能と残った障害に対応した適切な支援を選べるかを問う。『屋内歩行可能』+『箸が使えない』という所見に合った介入(食事自助具)を選ぶことが核心。
慢性期の治療はリハビリテーションが中心で、書字・衣服着脱など日常生活動作を確立させる。屋内歩行が可能であれば下肢の移動補助(長下肢装具・歩行ロボット)は必要性が低い。残る障害は手指の巧緻運動(箸が使えない)であり、食事動作を補う自助具を作製してADL自立を図るのが妥当。
『脊髄損傷=歩行障害』と決めつけ、下肢装具や歩行機器を選んでしまう罠。本症例は移動(歩行)はすでに自立し、残る障害は上肢・手指(食事動作)である点を読み取る。
慢性期治療では、書字・衣服着脱など日常生活動作の確立、車椅子移動や歩行動作の基本訓練、関節拘縮予防が重要。残存機能の評価に応じて、不足する動作を装具・自助具で補い、ADL自立度を高める。
病名(脊髄損傷)から反射的に歩行支援を選ばせる罠。実際の残存機能(屋内歩行可能)と残った障害(箸が使えない=食事動作)を症例記述から特定し、それに合った支援を選ぶ。
頸髄損傷の退院準備は、残存機能と残った障害に合わせて支援を選ぶ。本症例は屋内歩行が可能(移動は自立)で、箸が使えない(手指の巧緻動作=食事動作に障害)。よって長下肢装具・歩行ロボット(下肢補助)や意思伝達装置(コミュニケーション)は不要で、食事自助具の作製がADL自立を支える適切な準備となる。残存機能を読み取って介入を選ぶ姿勢が問われる。