陰虚にみられる舌苔はどれか。
正答:4
正答:4
陰虚では潤す材料そのものが不足するため、舌苔が薄くなるか剥げて少苔・無苔になる。正答は4。
舌苔の質(厚薄・潤燥・腐膩・剥落)がそれぞれ何を示すかを知り、陰虚=陰液不足という病態から少苔を導けるか。
舌苔は胃気が水穀の精微を蒸し上げてできるとされ、その厚さや潤いは体内の津液と邪の状態を映す。陰虚は陰液(津液・血・精)が減った状態で、陰の寧静・滋潤作用が落ち、相対的に陽の温煦・推動が旺盛になって虚熱が生じる。潤す材料が枯れているので苔は薄くなり、進むと剥げて無苔になる。同時に舌質は紅く痩せ、脈は細数。厚苔は裏証・実証・湿濁や食滞で邪が盛んなとき、潤苔は津液が停滞する湿邪のとき、膩苔は痰飲・湿濁でねっとりした苔が付くときで、いずれも「余っている」側の所見。陰虚は「足りない」側なので少苔。
「乾く」から燥苔(苔はあるが乾いている)を選びたくなるが、陰虚は苔そのものが減る。燥苔は熱邪が津液を焼いた実熱でも出る。剥落苔は胃気・胃陰の損傷で、陰虚の一形として重なる。厚苔・膩苔・潤苔はいずれも過剰の側で、虚証の陰虚とは逆向きと覚える。
舌診は舌質(色・形・態)と舌苔(色・質)を分ける。舌苔の質:薄苔(正常・病が浅い)、厚苔(裏・実・湿濁食滞)、潤苔(津液十分または停滞)、燥苔(津液損傷)、腐苔(食積・痰濁)、膩苔(痰湿)、剥落苔(胃気・胃陰の損傷)、少苔・無苔(陰虚)。陰虚の全身像は午後の潮熱・五心煩熱・盗汗・頬部紅潮・口咽の乾き・舌紅少苔・脈細数。
苔の質の用語を4つ並べ、陰虚という病態から「余る/足りない」で振り分けさせる。解法は、(1) 陰虚=陰液が足りない、(2) 苔は材料不足で減る、(3) 増える側の語(厚・潤・膩)を消す。
陰虚は陰液が減って虚熱が生じる病態で、舌苔をつくる材料が枯れるため少苔(進めば無苔)になり、舌質は紅く痩せ、脈は細数になる。厚苔は裏実や湿濁食滞、潤苔は津液の停滞、膩苔は痰湿で、いずれも邪が余っている側の所見。虚と実、足りないと余るで振り分けると迷わない。