次の文で示す症状を引き起こす六淫の性質に含まれるのはどれか。「梅雨の時期から体が重く下肢がむくみ、下痢をするようになった。」
正答:3
正答:3
梅雨の時期に体が重い・下肢のむくみ・下痢が出るのは湿邪。湿邪の性質は重濁性・粘滞性・下注性で、選択肢にあるのは粘滞性。正答は3。
季節と症状から邪を同定し(梅雨+重だるさ+むくみ+下痢=湿邪)、その邪固有の性質名を選べるか。他の3つはそれぞれ別の邪の性質。
梅雨は湿度が高く湿邪を受けやすい。湿邪は陰邪で、水のように重く濁る重濁性により身体や頭が重だるくなり、粘ってすっきりしない粘滞性により排泄物や分泌物が粘り経過が長引き、水は下へ流れるという下注性により下肢の浮腫・下痢・帯下など下半身の症状を出す。また脾を最も侵しやすく、運化が妨げられると水湿が停滞して浮腫や軟便・下痢が起こる。設問の3症状はこの3性質にそれぞれ対応する。遊走性(善行数変)は風邪、昇散性は暑邪、収引性は寒邪の性質。
湿邪の性質は重濁性・粘滞性・下注性の3つで、設問がどれを問うても湿邪と分かれば選べる。ただし選択肢に3つのうち1つしか出ないので、湿邪の性質名を全部覚えておく必要がある。梅雨という季節の手がかりを見落とすと、下痢から寒邪(収引性)へ流れやすい。
六淫の性質の対応:風邪=軽揚性・開泄性・遊走性(善行数変)・主動・百病の長、寒邪=凝滞性・収引性、暑邪=炎熱性・昇散性・夾湿、湿邪=重濁性・粘滞性・下注性、燥邪=乾燥性、火邪=炎上性・生風・動血。湿邪は脾を侵し、痹証では着痹(重だるい痛み)を起こす。治療は健脾去湿で陰陵泉・三陰交・足三里・脾兪など。
季節と3症状を与え、邪の性質名で答えさせる。症状はどれも「湿らしい」ので邪の同定は易しく、性質名を知っているかだけが問われる。解法は、(1) 梅雨+重・むくみ・下痢=湿邪、(2) 湿邪の性質を3つ挙げる、(3) 選択肢と照合。
梅雨の時期の体の重だるさ・下肢のむくみ・下痢は湿邪による。湿邪は陰邪で、重く濁る重濁性、粘ってすっきりしない粘滞性、下へ向かう下注性を持ち、脾を侵して水湿を停滞させる。選択肢のうち湿邪の性質は粘滞性。遊走性は風邪、昇散性は暑邪、収引性は寒邪の性質で、六淫ごとに固有の語を覚えておく。