次の文で示す経脈の病証はどれか。「48歳の女性。発汗、目尻から頬の痛みがあり、耳鳴りが続き耳が聞こえにくい。」
正答:4
正答:4
耳鳴り・難聴が出る経脈病証は手の太陽小腸経と手の少陽三焦経の2つで、発汗が加われば三焦経。目尻(外眼角)は三焦経の終わりで、頬もその走行上。正答は4。
耳の症状を出す2経(小腸経・三焦経)を挙げ、発汗と目尻という手がかりで三焦経に絞れるか。
手の少陽三焦経は薬指から前腕・上腕の後面中央を上り、肩から頸に至り、耳の後ろをめぐって耳中に入り、耳の前に出て頬を経て目尻(外眼角)で終わる。経脈病証は、耳鳴・難聴、咽喉の腫れ、目尻から頬の痛み、そして発汗。手の太陽小腸経も耳の症状(難聴)と頬・顎の腫れを出すが、発汗は特徴にならず、走行は耳の前で終わって目尻には至らない。したがって、耳の症状に発汗と目尻の痛みが加わる本例は三焦経。足の陽明胃経は前頸部の腫れ・顔面麻痺・発汗を出すが耳鳴難聴は主症でなく、足の少陰腎経は顔が黒くすすける・咳喘・腰痛が主で耳の症状も腎虚として起こりうるが経脈病証の分布が合わない。
耳鳴り・難聴を出す経脈病証は小腸経と三焦経の2つだけ、と先に絞るのが速い。その上で発汗が書いてあれば三焦経。目尻(外眼角)は三焦経と胆経の接続部で、三焦経の終点でもある。難聴を腎虚と結びつけて足の少陰経を選ばないよう、設問が「経脈病証」を問うていることを確認する。
耳をめぐる経は小腸経・三焦経・胆経で、いずれも耳の症状を出す。区別は、小腸経=頸や頷の腫れで振り返れない・肩甲部の痛み、三焦経=発汗・目尻から頬の痛み、胆経=口苦・ため息・側頭部と体側の痛み・顔色がくすむ。第30回問101は同じ論点で選択肢に三焦経が無く小腸経が正答になっており、選択肢の構成で答えが変わる。
耳の症状で小腸経と三焦経の2択に持ち込み、発汗と目尻で決めさせる。解法は、(1) 耳鳴難聴=小腸経か三焦経、(2) 発汗があれば三焦経、(3) 目尻・頬の走行で確認。
手の少陽三焦経は薬指から上肢後面中央を上り、肩・頸から耳の後ろをめぐって耳中に入り、耳の前から頬を経て目尻で終わる。経脈病証は耳鳴・難聴、目尻から頬の痛み、咽喉の腫れ、発汗。耳の症状を出すのは小腸経と三焦経の2つで、発汗があれば三焦経と決まる。小腸経は頸の腫れと肩甲部の痛み、胆経は口苦とため息で区別する。