問117
標準体型の男性において直刺で刺鍼した場合、肺を損傷するリスクが最も高いのはどれか。
この問題の分類段階3 応用症例や条件を判断材料にする問題
正答:4
正答:4
側胸部の第6肋間にある大包は、薄い筋層の下がすぐ胸腔。正答は4。
要穴の名前から経穴を割り出し、その部の筋層と肺の位置関係を判断できるか。
脾の大絡の絡穴は大包で、側胸部の第6肋間、中腋窩線上にある。教科書が記す解剖は前鋸筋と肋間筋だけで、この薄い層の下がすぐ胸腔になる。したがって記述4が最もリスクが高い。誤肢は肺から離れているか、筋層が厚い。肺の募穴は前胸部で大胸筋と小胸筋に覆われ、任脈の絡穴は上腹部で肺より下、胃の背部兪穴は第12胸椎の高さで肺の下端より下にある。
名前に肺がつく募穴が最も危ないとは限らない。中府は肺の募穴だが前胸部で厚い筋に覆われる。危険度は、肺のある高さかどうかと、その部の筋層の厚さの2つで決まる。
教科書は、肺尖部に近い欠盆をはじめ胸背部の経穴の刺鍼には気胸を起こさないよう注意を要すると記している。大包の取り方は、側臥して肩関節を外転させ、中腋窩線上で第6肋間の高さに取るとされる。同じ側胸部では淵腋が第4肋間の中腋窩線上にあり、こちらも前鋸筋と肋間筋の上にある。
要穴の名前で示し、部位を思い出させる。解法は、(1) 各要穴の経穴名を出す、(2) 部位と肺の高さを比べる、(3) 筋層の薄いものを選ぶ。
直刺で肺を損傷するリスクが最も高いのは脾の大絡の絡穴(大包)。側胸部の第6肋間で前鋸筋と肋間筋しか隔てるものがない。