鍼施術で気胸を起こすリスクが最も高い経穴はどれか。
正答:3
正答:3
附分は第2胸椎棘突起下縁の高さで後正中線の外方3寸。この深さには肺があり、深く直刺すれば胸腔に達しうる。他の3穴は骨の上か肺野の外なので気胸の危険は小さい。正答は3。
経穴の部位を、その真下に何があるかまで結びつけられるか。気胸は鍼の代表的な有害事象で、危険な部位を骨・肺野との位置関係で判断させる。
気胸は胸膜腔へ空気が入って肺が虚脱するもので、鍼では胸背部の深刺で起こる。危険かどうかは、刺鍼点の直下に含気肺があるかで決まる。附分は上背部、第2胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸にあり、肩甲骨の内側縁に沿う位置で肋間から胸腔へ届きうる。天宗は肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結ぶ線上で肩甲棘から3分の1の陥凹部にあり、真下は肩甲骨という板で、その下は棘下筋。身柱は後正中線上にあり、第3胸椎の棘突起のすぐ下の陥凹に取るので、直下は椎骨。三焦兪は第3腰椎棘突起下縁の高さで後正中線の外方1寸5分と、肺野よりはるかに下。したがって4肢の中で肺に届きうるのは附分だけ。
「背中だから危ない」と大まかに覚えると身柱や天宗まで危険に見えてしまう。判断は部位そのものではなく、直下に骨があるか・肺野の範囲内かの2点。膀胱経の第2行(外方3寸)は肩甲骨内側縁に沿って肋間の上を走るため、第1行(外方1寸5分)より肺に近づく。
胸背部で気胸のリスクが高いのは、肺尖部(欠盆・肩井の深部)と、肩甲骨内側縁に沿う肋間部(膀胱経第2行の胸椎レベル、附分・魄戸・膏肓・神堂など)。刺入方向は直刺を避けて斜刺・横刺にする、深度を制限する、痩せ型では特に浅くする、といった配慮が要る。気胸が起きた場合は突然の胸痛・呼吸困難・患側呼吸音の減弱がみられ、施術を中止して医療機関へつなぐ。
経穴名を4つ並べ、どれも背部・上背部にあるように見せる。解法は、(1) 各穴の高さ(第何胸椎/腰椎レベルか)を出す、(2) 後正中線からの寸法で骨の上か肋間かを決める、(3) 肺野の範囲(おおむね第1〜第10胸椎レベル)に入るものを選ぶ。
鍼による気胸は、胸背部で肺の上を深刺したときに起こる。附分は第2胸椎棘突起下縁の高さで後正中線の外方3寸にあり、肩甲骨内側縁に沿って肋間の上に乗るため、深く刺せば胸腔へ届く。天宗は肩甲骨という板の上、身柱は棘突起の上で、いずれも骨に守られる。三焦兪は第3腰椎の高さで肺野の外。危険度は「背中かどうか」ではなく「直下に含気肺があるか」で決まる。