次の文で示す症例に対する生活指導で最も適切なのはどれか。「32歳の女性。頸は細く、なで肩。長時間のパソコン作業で肩こりに続き、持続性の鈍痛が後頭部に出現。仕事を休むほどではない。悪心・嘔吐、光過敏は伴わない。」
正答:2
正答:2
悪心・嘔吐も光過敏もない持続性の後頭部鈍痛で、肩こりに続いて出ている。片頭痛ではなく緊張型頭痛。細身でなで肩=頭を支える力が弱いので、後頸部の筋を鍛えるのが正しい指導。正答は2。
頭痛の型を随伴症状の有無で見分け、その型に合う生活指導を選べるか。3つの誤肢はいずれも「筋緊張を強める側」の指導になっている。
片頭痛は拍動性で、悪心・嘔吐や光過敏・音過敏を伴い、動くと悪化する。本例はこれらがなく、肩こりに続いて後頭部に持続性の鈍痛が出て仕事は続けられる程度なので緊張型頭痛。緊張型頭痛は頭頸部の筋の持続的な収縮と血流低下が背景にあるので、指導は筋の緊張を減らし血流を増やす方向へそろえる。頸が細くなで肩という体型は頭部を支える筋量が乏しいことを示し、パソコン作業で頭部が前方へ出る姿勢が続けば後頸部の筋に持続的な負荷がかかる。ここで筋力トレーニングを行えば、支持力が増して同じ姿勢での負担が減り、運動そのものが血流も改善する。
「頭痛には安静・冷却」という片頭痛のイメージを緊張型頭痛へ持ち込むと、3や1を選びやすい。緊張型頭痛では温めて動かすのが原則で、片頭痛とは逆になる。設問が悪心・嘔吐と光過敏をわざわざ否定しているのは、この分岐を作るため。
緊張型頭痛は両側性・非拍動性の圧迫感や締めつけ感で、日常動作で悪化しない。片頭痛は片側性・拍動性で、日常動作で悪化し、前兆を伴うことがある。指導の方向はほぼ正反対で、緊張型では温熱・運動・姿勢改善、片頭痛では発作時は暗く静かな場所で安静、誘因(睡眠不足・特定の食品・強い光)を避ける。両者が併存する例もあるので、随伴症状を1つずつ確かめる。
「〜を控える」「〜のみで済ませる」といった制限型の肢を並べ、能動的な肢を1つだけ置く。安全そうな制限を選びたくなるが、緊張型頭痛では制限がそのまま増悪要因になる。解法は、(1) 随伴症状で型を確定、(2) その型で症状を悪化させる要因を挙げる、(3) 各肢がその要因を増やすか減らすかで判定。
悪心・嘔吐や光過敏がなく、肩こりに続く持続性の鈍痛は緊張型頭痛。背景は頭頸部の筋の持続収縮と血流低下なので、指導は温める・動かす・姿勢を整える方向にそろえる。細身でなで肩なら頭部を支える筋力が不足しているので、後頸部の筋力トレーニングが適切。肘掛けを控える、シャワーだけにする、枕を高くするはいずれも筋緊張を強める側の指導。