過活動膀胱の患者に対する治療で、仙髄排尿中枢を介した治療穴として最も適切なのはどれか。
正答:4
正答:4
仙髄排尿中枢はS2〜S4。その高さで神経に届く経穴は、第3後仙骨孔にある中髎。他の3穴は上腹部・腰部で仙髄レベルから外れる。正答は4。
「仙髄排尿中枢を介した」という条件から、刺激すべき脊髄分節の高さを決め、その高さに一致する経穴を選べるか。
過活動膀胱は尿意切迫感を必須症状とし、頻尿・夜間頻尿を伴う症状症候群。排尿にはたらく副交感神経(骨盤内臓神経)は仙髄S2〜S4から出るので、この高さの神経を刺激できる部位を選ぶ。八髎穴(上髎・次髎・中髎・下髎)はそれぞれ第1〜第4後仙骨孔に一致し、孔の中を仙骨神経後枝が通るため、仙髄レベルへ届く刺鍼点になる。中髎は仙骨部の第3後仙骨孔にあたり、S2〜S4の範囲に入る。水分は上腹部の臍中央の高さで、支配は肋間神経レベル。三焦兪は第3腰椎、腎兪は第2腰椎の棘突起下縁の高さで、いずれも腰神経のレベルであって仙髄ではない。
排尿の症状というだけで腎兪・膀胱兪など腰背部の兪穴を選びたくなる。設問は「仙髄排尿中枢を介した」と経路を指定しているので、選ぶ根拠は臓腑の名前ではなく脊髄分節の高さ。八髎穴は後仙骨孔に一致するという部位の定義そのものが解答根拠になる。
排尿の神経支配は3系統。副交感(骨盤内臓神経、S2〜S4)が排尿筋を収縮させ、交感(下腹神経、T11〜L2)が排尿筋を弛緩させ内尿道括約筋を収縮させ、体性神経(陰部神経、S2〜S4)が外尿道括約筋を随意に制御する。過活動膀胱では排尿筋の不随意収縮が問題になるため、仙髄レベルへの刺激が用いられる。八髎穴は上から順に第1〜第4後仙骨孔で、下方へ行くほど後正中線に近づく。
臓腑名のついた兪穴(腎兪・三焦兪)を並べて、証や臓腑から選ばせる方向へ誘導する。設問が神経経路を指定しているときは、経路の分節と経穴の高さだけで決まる。解法は、(1) 指定された中枢の脊髄分節を出す、(2) 各経穴の椎骨・仙骨レベルを出す、(3) 一致するものを選ぶ。
過活動膀胱は尿意切迫感を欠かせない症状とする一群で、頻尿や夜間の排尿回数の増加を伴う。排尿にはたらく副交感神経はS2〜S4の仙髄から出るので、仙髄排尿中枢を介す治療穴はこの高さに届く必要がある。八髎穴は第1〜第4後仙骨孔に一致し、中髎は第3後仙骨孔でS2〜S4の範囲。水分は上腹部、三焦兪は第3腰椎、腎兪は第2腰椎の高さで、いずれも仙髄レベルではない。