脾の運化作用を介して湿を除くことにより治療できる痛みはどれか。
正答:2
正答:2
脾の運化がはたらけば水湿がさばける。湿によって起こる痛みは重だるい重痛。正答は2。
痛みの性質(脹・重・刺・隠)と、その背後にある病機(気滞・湿・瘀血・虚)を一対一で結べるか。設問は治法の側から病機を指定してくる。
脾の運化は飲食物から水穀の精微を取り出し、水液を全身にさばくはたらき。ここが弱ると水湿が停滞して湿の証になる。したがって「運化を介して湿を除く」ことで治せる痛みは、湿によって生じる痛みでなければならない。湿邪は粘滞性と重濁性をもつため、痛みは固定性で重だるい感じを伴う。これが重痛。脹痛は張った感じの痛みで気滞、刺痛は錐や針で刺すような鋭い痛みで瘀血、隠痛は我慢できる程度の鈍い痛みが続くもので虚証を示す。
重痛と着痺を混同しやすいが、重痛は痛みの性質を表す語、着痺は湿邪による痺証という病証名。どちらも湿が背景にある点では通じる。また脹痛と隠痛はどちらも激しくない痛みだが、脹痛は張り感(実)、隠痛は鈍い持続痛(虚)で虚実が逆。
痛みの性質と病機の対応:脹痛=気滞、刺痛=瘀血、重痛=湿、隠痛=虚、冷痛=寒、灼痛=熱、絞痛=寒凝や結石、空痛=気血や精髄の不足、掣痛(引きつる痛み)=肝の失調。問診では痛みの性質のほかに、部位が固定するか移動するか、押すと楽になるか(喜按=虚)痛むか(拒按=実)、時間帯や気候での変化を合わせて聞く。
痛みの4種を並べ、治法の側から病機を指定して逆算させる。解法は、(1) 治法が示す病機を確定(運化で湿を除く=湿)、(2) 4つの痛みの性質と病機の対応表を出す、(3) 一致するものを選ぶ。
脾の運化は水液をさばくはたらきなので、これを高めて治せるのは湿による痛み。湿邪は粘滞性・重濁性をもち、固定性で重だるい重痛を起こす。脹痛は気滞で理気、刺痛は瘀血で活血化瘀、隠痛は虚で補法が治法となり、いずれも運化による除湿では対応しない。