五臓の特徴的な症状と治療穴の組合せで正しいのはどれか。
正答:4
正答:4
症状(病証)が反映する五臓と、各原穴が属する経の臓を一致させられるかを問う問題。各原穴がどの臓の原穴かを確定し、その臓と症状の病証の臓が一致する組合せを選ぶ。教科書では太衝=肝の原穴、太淵=肺の原穴、大陵=心包の原穴、神門=心の原穴と記載される。
「五更泄瀉・梅核気・陽萎・多夢」という症状がそれぞれどの臓の病証で起こるかを判定し、組み合わされた原穴(太衝・太淵・大陵・神門)が属する経の臓と一致しているものを1つ選ぶ。
教科書(02b03 睡眠障害・心悸の章)に「神門は心の原穴であり、心の機能失調に対して効果的である」「神門は心の原穴であり、心の病証および心と関連する臓腑・組織・器官の病証を主治する」と明記される。多夢は心血虚・心陰虚などの心の病証や肝陽上克が心神に影響した状態で不眠とともに現れる症候であり(02b03、不眠・心悸の項に多夢・不眠が心血虚/肝陽上克の随伴症状として記載)、心の病証である多夢に対して心の原穴である神門を配する組合せが正しい。
原穴がどの臓のものかを取り違えやすい。太衝=肝、太淵=肺、大陵=心包、神門=心。特に大陵は『難経』六十六難で当初「心の原」とされた歴史があるが、教科書の現行整理では心包の原穴である点に注意(01_総論の原穴の沿革を参照)。また五更泄瀉=腎陽虚(脾腎陽虚)、梅核気=肝の気滞痰鬱という症状→臓の対応も同時に問われている。
原穴は臓腑の原気が留まる要穴で、臓腑の虚実の診察・治療に用いられる(01_総論:原穴の項)。本問は『症状が示す病証の臓』と『原穴の属する経の臓』を一致させる思考。多夢は睡眠障害の章で心の病証(心血虚・心陰虚)や肝陽上克→心神の随伴症状として扱われ、治療では神門(心の原穴)への補法・瀉法が清心安神・補益心血の目的で用いられる(02b03の不眠の配穴)。
症状の臓は合っているが原穴の臓が違う、あるいはその逆という『片側だけ正しい』ペアで揺さぶる組合せ問題。原穴の帰属(神門=心、太衝=肝、太淵=肺、大陵=心包)を確実に暗記していれば即答できる。
原穴と臓の対応を陰経・陽経で総ざらいする:太淵=肺、神門=心、大陵=心包、太衝=肝、太白=脾、太渓=腎(陰経の原穴)。陽経では衝陽=胃、合谷=大腸など。次に症状→病証の臓を確認:五更泄瀉=腎陽虚(脾腎陽虚)、梅核気=肝の気滞痰鬱、陽萎=腎(腎陽虚・腎精不足)中心、多夢=心(心血虚・心陰虚)。症状の臓と原穴の臓が一致する組合せだけが正答になる。