問147
次の文で示す患者の病証で最も適切なのはどれか。「51歳の男性。2日前に強い寒冷環境で長時間の作業をした後、肩に固定性の痛みとこわばりが生じた。舌は淡、脈は緊を認める。」
この問題の分類段階3 応用症例や条件を判断材料にする問題
正答:2
正答:2
強い寒冷環境(寒邪)を契機に、固定性の痛みとこわばりが生じ、脈が緊である病証である。これは風寒湿による痺証のうち寒邪が主の『痛痺(寒痺)』である。
発症環境(寒冷)と症状の性質(固定性の痛み・こわばり・脈緊)から、痺証の4分類(行痺・痛痺・着痺・熱痺)のどれかを弁別する問題。
風寒湿による痺証で寒邪の性質が強いものを痛痺(寒痺)という。寒邪の凝滞性により関節部の気血の流れが通じなくなって関節痛が起こり、寒邪の収引性により関節のこわばり・屈伸不利を伴いやすい。固定性の痛みで程度は強く、寒冷刺激で増悪し温熱刺激で軽減しやすい。舌象にあまり変化はなく、脈は緊となりやすい。本症例の寒冷環境・固定性の痛み・こわばり・脈緊はこれに合致する。
痺証4分類の弁別キーは『どの邪が主か』。固定性の痛み+こわばり+脈緊=寒邪(痛痺)。固定性でも重だるさ+脈濡なら着痺、遊走性+脈浮なら行痺、熱感+脈数なら熱痺。
教科書は風寒湿による痺証を、風・寒・湿のどの邪が強いかで行痺(風痺)・痛痺(寒痺)・着痺(湿痺)に分類し、風熱湿によるものを熱痺とする。痛痺の決め手は『寒冷環境という外因』『固定性の強い痛み』『こわばり(収引性)』『脈緊』の4点セット。
『固定性の痛み』は痛痺と着痺の両方にあるため、固定性だけで決めると着痺と迷う罠。脈(緊か濡か)と随伴症状(こわばり=寒、重だるさ=湿)で寒邪を確定する。
痺証4分類を邪気・痛みの性質・舌脈で一覧化する。行痺=風・遊走性・脈浮、痛痺=寒・固定性+こわばり・寒冷で増悪・脈緊、着痺=湿・重だるい・脈濡・舌苔白賦、熱痺=熱・局所熱感発赤腫脹・脈数・舌紅苔黄。