衝脈・任脈・督脈のすべてと密接な関係にある奇恒の腑の機能はどれか。
正答:1
正答:1
衝脈・任脈・督脈はいずれも胞中(小骨盤腔)から起こる。その胞中にある奇恒の腑が女子胞で、月経と妊娠をつかさどる。正答は1。
奇恒の腑(脳・髄・骨・脈・胆・女子胞)それぞれの機能を知り、衝・任・督の起始部(胞中)から女子胞を同定できるか。
督脈は胞中に起こり後正中を、任脈は胞中に起こり前正中を上行し、衝脈も同じく胞中から起こって脊柱の深部と腹部を上る。三脈が同じ場所から分かれ出るこの関係を一源三岐という。胞中にある奇恒の腑が女子胞(子宮)で、腎精と天癸、衝脈(血海)・任脈(陰脈の海)の気血に支えられて月経を起こし、妊娠を維持する。下腹部(小腹)は腎・膀胱・小腸・大腸・女子胞と関係が深く、任脈・衝脈の異常が反映される。したがって「月経を主る」が正答。肢体を支えるのは骨、情報の伝達は脈(血を運び全身をめぐる)、生命活動の主宰は心(五臓六腑の大主)や脳の働きで、女子胞ではない。
奇恒の腑は、中空という形は腑に似て精気を蔵する働きは臓に似る6つで、女子胞・胆・脈・骨・髄・脳からなる。胆だけが六腑にも属する。衝脈・任脈・督脈と女子胞の関係は婦人科の病機(月経異常・不妊)で繰り返し出るので、「一源三岐の源=胞中=女子胞」とつなげておく。
女子胞の機能は腎(精・天癸)、肝(蔵血・疏泄)、脾(統血)と、衝脈・任脈の充実に依存する。衝脈は十二経の海・血海として血を蓄え、任脈は陰脈の海として陰血を統括し、両者が充実して初めて月経が規則正しく起こる。女子は七の倍数で腎気が盛衰し、二七(14歳)で天癸至り月経が始まり、七七(49歳)で衝脈衰えて閉経する。
奇恒の腑の機能を4つ並べ、設問の手がかりは「衝・任・督」だけ。解法は、(1) 三脈の共通の起始=胞中を思い出す、(2) 胞中の奇恒の腑=女子胞、(3) 女子胞の機能=月経・妊娠。
奇恒の腑は女子胞・胆・脈・骨・髄・脳の6つで、中空の形は腑、精気を蔵する働きは臓に似る。衝脈・任脈・督脈はいずれも胞中から起こり(一源三岐)、胞中にある女子胞は月経と妊娠を主る。女子胞は腎精と天癸、衝任二脈の気血に支えられ、49歳前後で衝脈が衰えて閉経する。骨は支持、脈は血の通路、心・脳は生命活動と精神の主宰で、それぞれ別の機能。