問170
刺鍼により痛みの悪循環を最も改善させるのはどれか。
この問題の分類段階2 理解正答の理由や選択肢の違いを整理する問題
正答:2
正答:2
血管が広がって血の巡りが戻れば、痛みを生む物質が流れ去る。正答は2。
痛みが痛みを生む循環のどこを断つと改善するかを説明できるか。
痛みが起こると筋が緊張し、緊張が血管を締めて血の巡りを妨げ、酸素が足りなくなって痛みを生む物質が溜まり、それがさらに痛みを起こす。この繰り返しが痛みの悪循環である。血管が広がって血の巡りが戻れば、溜まった物質が流れ去り、循環が断たれる。したがって記述2が正しい。誤肢は3つとも循環を強める方向である。筋を縮ませる神経の興奮は緊張を強め、炎症に関わる物質が増えれば痛みが強まり、交感神経の興奮は血管を締めて血の巡りをさらに悪くする。
4つの現象それぞれが循環のどこに位置するかを図に描くと、増やす向きと減らす向きが一目で分かる。増やす向きの肢を3つ並べ、減らす向きを1つ置く構成なので、向きさえ判定できれば選べる。
鍼の刺激で血管が広がる仕組みには、血管の内側の細胞から出る気体によるものと、感覚の線維の終末から逆向きに放出される物質によるものがある。血の巡りが戻ると、酸素が届き、痛みを生む物質が洗い流され、筋の緊張が和らぐ。硬く縮んだ部位に鍼を刺すと局所の収縮が起こり、その後に緩むことも、緊張を解く一因とされる。
悪循環を強める要素を3つ、断つ要素を1つ並べる。解法は、(1) 悪循環の輪を描く、(2) 各肢が輪を強めるか弱めるかを判定、(3) 弱めるものを選ぶ。
痛みの悪循環を最も改善させるのはNOによる血管拡張。α運動ニューロンの興奮・プロスタグランジンの産生促進・交感神経の興奮はいずれも悪循環を強める向き。