問169
下行性抑制系について最も適切なのはどれか。
この問題の分類段階2 理解正答の理由や選択肢の違いを整理する問題
正答:1
正答:1
痛い刺激そのものがスイッチになって、抑える仕組みが動き出す。正答は1。
下行の抑制の起こり方、経路、伝達物質を正しく言えるか。
痛みを抑える下行の仕組みは、痛い刺激が入ること自体で動き出す。侵害を受け取るニューロンが興奮すると、その情報が上位へ伝わり、中脳の水道の周りの灰白質を起点として下行の抑制が働き、脊髄の後角での伝わりが抑えられる。したがって記述1が正しい。誤肢は3つとも中身が違う。中脳の水道周囲灰白質では、抑える働きを持つ細胞が興奮するとむしろ下行の抑制が外れる方向になる。下行する経路が通るのは前寄りの外側ではなく背側の索であり、関わる物質はヒスタミンではなくノルアドレナリンやセロトニン、そして体内で作られる鎮痛の物質である。
上行する痛みの経路と、下行する抑制の経路を混同すると3を選んでしまう。上行は前寄りの外側、下行は背側と覚え分ける。抑える働きの細胞が興奮すると抑制が外れる、という二重否定の構造も引っかかりやすいので、図で追って理解しておく。
鍼の刺激が痛みを抑える説明の柱の一つがこの仕組みである。刺激によって侵害の情報が入り、それが引き金となって下行の抑制が動き出す。全身に及ぶ鎮痛には、このほかストレスによって起こる鎮痛と、広い範囲の侵害刺激が別の部位の痛みを抑える仕組みがある。局所や分節の範囲にとどまる鎮痛とは区別して整理する。
起こり方・経路・物質を4肢に散らし、3つを入れ替える。解法は、(1) 起点と引き金を確認、(2) 上行と下行の通り道を分ける、(3) 関わる物質を確認する。
最も適切なのは「侵害受容ニューロンの興奮により賦活する」。下行路は前側索ではなく背側索、関わるのはヒスタミンではなくノルアドレナリンとセロトニン。