内転筋管を通過するのはどれか。
正答:2
正答:2
内転筋管を通るのは大腿動脈・大腿静脈と伏在神経。正答は2。
大腿部のトンネルを通る血管と神経、そして名前が変わる場所を言えるか。
内転筋管(ハンター管)は大腿の内側中央にあるトンネルで、縫工筋の深部、大内転筋と内側広筋の間にできる。ここを大腿動脈・大腿静脈と、大腿神経の枝である伏在神経が通る。大腿動脈は管の遠位端にある内転筋腱裂孔を抜けて膝の後面に出た時点で名前が膝窩動脈に変わる。したがって内転筋管を通っているのは大腿動脈であって膝窩動脈ではない。大腿深動脈は鼠径靱帯のすぐ下で大腿動脈から分かれ、大腿の後方へ回って大腿骨と後面の筋を養うので、内転筋管には入らない。閉鎖動脈は内腸骨動脈の枝で、閉鎖孔を通って大腿内側の内転筋群へ向かうため、経路が別である。
同じ血管が場所によって名前を変えるので、「どの区間でどう呼ぶか」を押さえる。外腸骨動脈が鼠径靱帯を越えて大腿動脈、内転筋腱裂孔を抜けて膝窩動脈、下腿で前脛骨動脈と後脛骨動脈に分かれる。この一本の流れを言えれば、内転筋管の中は大腿動脈だと即座に決まる。
伏在神経は大腿神経の最も長い皮枝で、内転筋管を通ったあと膝の内側から下腿内側、内果までの皮膚感覚を担う。純粋な感覚神経なので、障害されても運動麻痺は出ない。大伏在静脈はこの神経に伴走するため、静脈の手術では伏在神経の損傷に注意する。大腿動脈は鼠径靱帯のすぐ下で拍動を触れやすく、下肢の動脈拍動の触知(大腿動脈・膝窩動脈・後脛骨動脈・足背動脈)は閉塞性動脈硬化症の診察で用いられる。
同じ血管の別名や、近くを走る別の血管を並べる。解法は、(1) そのトンネルの位置を思い出す、(2) 通る構造を血管と神経に分けて挙げる、(3) 名前が変わる境目を確認する。
内転筋管を通るのは大腿動脈・大腿静脈・伏在神経。膝窩動脈は管を抜けたあとの名称、大腿深動脈は鼠径靱帯のすぐ下で後方へ分かれ、閉鎖動脈は閉鎖孔を通る別経路。下肢動脈の名称変化を一本の流れで押さえる。