問36
下肢の深部静脈血栓が剥離して血流で運ばれた場合、塞栓症を最も生じやすい臓器はどれか。
この問題の分類段階2 理解正答の理由や選択肢の違いを整理する問題
正答:2
正答:2
脚の静脈から流れ出た血栓は、心臓を経て肺の動脈で詰まる。正答は2。
血流の順路をたどって、塞栓が詰まる場所を決められるか。
塞栓が詰まる場所は、血の流れをたどれば決まる。下肢の深い静脈にできた血栓が剥がれると、下大静脈を通って右心房から右心室へ入り、肺動脈へ送り出されて、その末梢で詰まる。したがって記述2が正しい。誤肢はいずれも動脈の側にある臓器で、静脈から出た塞栓は肺を通り越さない限り届かない。左心の弁膜や大動脈にできた血栓であれば、腎臓や脳や下肢に塞栓をつくる。
塞栓の行き先は、出発点が静脈か動脈かで決まる。静脈側から出れば肺、左心や大動脈から出れば全身の臓器、と2本立てで押さえる。まれに、心房の間に開いた穴を通って静脈側の血栓が動脈側へ渡ることがあり、これは奇異な塞栓症と呼ばれる。
塞栓には血栓に由来するものが最も多いが、脂肪、空気、骨髄、腫瘍、細菌の塊などもある。骨折で骨髄が壊れると、脂肪の塞栓と骨髄の塞栓が合わせて肺動脈系に生じることが多い。塞栓が詰まると、その先の領域は血が届かず壊死に陥る。塞栓が病原微生物を含んでいれば微生物が方々へ運ばれ、腫瘍を含んでいれば転移をつくる。
臓器を4つ並べ、血流の順路で選ばせる。解法は、(1) 血栓の出発点を確認、(2) 血流の順路をたどる、(3) 最初に到達する細い血管の臓器を選ぶ。
下肢の深部静脈血栓が剥離すると肺で塞栓症を起こす。脳・腎臓・脾臓は動脈側で、左心や大動脈由来の血栓が届く先。出発点で行き先が決まる。