乳癌について正しいのはどれか。
正答:2
正答:2
乳癌の主な症状は、痛みを伴わない乳房のしこり。正答は2。
乳癌の性差・主症状・転移先・治療方針を言えるか。
乳癌は乳腺の上皮から生じる悪性腫瘍で、最も多い自覚症状は乳房のしこりである。硬く、可動性に乏しく、多くは痛みを伴わない。ほかに乳頭からの血性分泌、乳頭や皮膚のひきつれ、皮膚のオレンジの皮のような変化がみられる。したがって記述2が正しい。誤肢は3つとも誤り。乳腺組織は男性にもあるので、頻度は低いが男性乳癌も発症する。転移するリンパ節は、乳房のリンパが流れ込む腋窩リンパ節が最も多く、次いで胸骨傍・鎖骨上で、頸部リンパ節が主ではない。治療については、多くの乳癌がエストロゲンに依存して増殖するため、抗エストロゲン薬やアロマターゼ阻害薬でエストロゲンの働きを抑えるホルモン療法を行う。エストロゲンを補充するのは逆である。
エストロゲンの扱いが逆になっているのが選択肢4の罠。乳癌の多くはエストロゲンで増えるので、補充ではなく遮断する。閉経後のホルモン補充療法が乳癌のリスクを上げるという知見とも一致する。転移先も、リンパの流れをたどれば腋窩に行き着く。
乳癌の危険因子は、初経が早い、閉経が遅い、出産歴がない、初産年齢が高い、授乳歴がない、閉経後の肥満、飲酒、家族歴で、いずれもエストロゲンにさらされる期間の長さと関係する。ホルモン受容体とHER2の有無で治療方針が分かれ、受容体陽性ならホルモン療法、HER2陽性なら分子標的薬。腋窩リンパ節郭清後はリンパ浮腫が起こることがあり、これもリハビリテーションで扱う。鍼灸では患側上肢への強い刺激や駆血を避ける。
1疾患について、性差・症状・転移・治療を1肢ずつ並べ、3つを逆にする。解法は、(1) その組織が両性にあるかを確認、(2) 症状の痛みの有無を確認、(3) リンパの流れから転移先を導く、(4) ホルモン依存性から治療の向きを決める。
乳癌の主な症状は乳房のしこり。男性にも発症し、転移は頸部ではなく腋窩リンパ節、治療はエストロゲンの補充ではなく遮断。無痛性のしこりこそ疑う。