冠攣縮性狭心症について正しいのはどれか。
正答:1
正答:1
冠攣縮性狭心症は冠動脈のけいれんによるもので、夜間から早朝の安静時に起こりやすい。正答は1。
労作性狭心症との違いを、機序・発症の時間帯・心電図・薬の効き方で言えるか。
冠攣縮性狭心症(異型狭心症)は、冠動脈が一時的にけいれんして内腔が狭くなり、心筋への血流が減って胸痛を起こすものである。けいれんは副交感神経が優位になる夜間から早朝にかけて起こりやすく、安静時、とくに睡眠中や明け方の発作が特徴になる。したがって記述1が正しい。誤肢は3つとも労作性狭心症や心筋梗塞の特徴か、逆の記述である。血栓による狭窄で起こるのは急性冠症候群(不安定狭心症・心筋梗塞)で、冠攣縮は器質的な狭窄がなくても起こる。運動負荷心電図でST低下がみられるのは労作性狭心症で、冠攣縮性狭心症は安静時の発作なので運動負荷では誘発されにくく、発作時にはST上昇を示すことが多い。ニトログリセリンは冠動脈を広げるので、冠攣縮にはよく効く。
狭心症は「労作で起こるもの」という思い込みがあると全部外す。冠攣縮性は安静時、それも夜間から早朝に起こる。心電図の変化も、労作性はST低下、冠攣縮性の発作時はST上昇と向きが逆。喫煙が主要な危険因子で、日本人に比較的多いことも知られる。
冠攣縮の誘因には喫煙、飲酒、寒冷、過換気、ストレスがあり、禁煙が予防の中心になる。治療はカルシウム拮抗薬による予防と、発作時のニトログリセリン。診断には発作時の心電図が有用で、必要に応じて薬物負荷による誘発試験が行われる。夜間や早朝の胸痛を訴える人がいたら、逆流性食道炎や肋間神経痛として扱う前に、この疾患を鑑別に入れて医療機関へつなぐ。
1疾患について、時間帯・機序・心電図・薬の効き方を1肢ずつ並べ、労作性狭心症の特徴を混ぜる。解法は、(1) 労作時か安静時かを決める、(2) 機序が攣縮か血栓かを決める、(3) 心電図の向きを確認、(4) 硝酸薬の効き方を確認する。
冠攣縮性狭心症は夜間から早朝の発症が多い。血栓ではなく攣縮、運動負荷のST低下は労作性狭心症、ニトログリセリンは効果が乏しいどころかよく効く。安静時に起こる狭心症として押さえる。