変形性股関節症の一般的な治療法として適切でないのはどれか。
正答:1
正答:1
変形性股関節症では関節を動かし続けることが大切で、ギプスで固定することはない。適切でないものを選ぶ設問で、正答は1。
変形性関節症の治療の柱を、保存療法から手術まで順に言えるか。
変形性股関節症は関節軟骨がすり減って股関節の変形が進む疾患で、日本では発育性股関節形成不全や臼蓋形成不全を背景とする二次性が多い。治療は、まず保存療法として生活指導(体重の管理、杖の使用、和式生活から洋式への変更、重い物を持たない)、運動療法(股関節周囲の筋力維持と可動域の維持)、薬物治療(消炎鎮痛薬)を行い、それでも痛みと機能障害が強ければ人工股関節全置換術などの手術を検討する。ギプス固定は骨折の整復位を保つための手段であって、変形性関節症には用いない。固定すれば関節が硬くなり筋力も落ちて、かえって機能が悪化する。したがって適切でないのはギプス固定。
「痛いから固定する」という発想が誤りの元。関節の疾患では、急性期の一時的な安静を除き、動かし続けることが機能を保つ。とくに股関節は歩行に直結するので、筋力と可動域の維持が生活の質を左右する。固定が適応になるのは骨折や重い靱帯損傷など、治癒に安静が要るもの。
変形性股関節症では、股関節の可動域制限は屈曲より先に内旋・外転が制限されやすく、跛行と大腿部・鼠径部の痛みが出る。関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化、骨棘形成、骨嚢胞形成という単純エックス線所見は変形性関節症に共通する。人工股関節全置換術後は、脱臼を防ぐために深く曲げる・内転する・内旋する動作を避けるよう指導される。鍼灸では股関節周囲筋の緊張緩和と疼痛の軽減が対象で、運動療法と組み合わせる。
適切な治療を3つ並べ、他疾患の治療手段を1つ混ぜる。解法は、(1) 適切でないものを選ぶ設問だと確認、(2) 保存療法と手術の柱を挙げる、(3) 関節を動かす方向か固定する方向かで判断する。
変形性股関節症の治療として適切でないのはギプス固定。生活指導・薬物治療・人工股関節全置換術はいずれも適切。関節の疾患は固定ではなく動かし続けることが原則。