「17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。」最も適切な対応はどれか。
正答:4
正答:4
原因は繰り返しかかる力なので、その力を止める。スパイク動作をやめる。正答は4。
病態の原因を特定したうえで、それを直接取り除く対応を選べるか。
骨に細かい傷が積み重わったのは、跳んで着地する動作を繰り返したためである。傷が修復されるより速く新しい傷ができ続けているので、まず原因になっている動作を止めなければ治らない。止めれば修復が追いつき、痛みは引いていく。したがってスパイク動作の中止が最も適切。誤肢はいずれも原因を取り除かない。抗菌薬は細菌による感染に効くもので、この病態には関係しない。腫瘍を切除する手術も、腫瘍ではないので対象にならない。ふくらはぎの筋を伸ばすことは、筋の付着部が痛む病態には意味があるが、骨そのものに傷が積み重なった状態では、伸ばしても骨にかかる力は減らない。
スポーツ障害では、痛みを取る手当てよりも、原因の動作を止めることが優先される。ここを飛ばして手当てだけ続けると、傷が積み重なって完全に折れることがある。競技を続けたい本人と、止めるべき期間を共有することが実務では最も難しく、最も大切になる。
止める期間は部位と程度によるが、痛みが消えてすぐ元の量に戻すと再発する。段階的に量を戻し、路面や靴、下肢の並び、練習の組み立てを見直す。栄養と月経の状態も関わり、女性の競技者では、使えるエネルギーの不足、月経の停止、骨の弱さが重なることが知られている。施術所では、練習を休むよう伝えることと、休んでいる間にできる運動を一緒に考えることが役割になる。
対応を4つ並べ、他の病態に対する正しい治療を混ぜる。解法は、(1) 病態の原因を一言で言う、(2) その原因を直接取り除く手立てを探す、(3) 別の病態に対する治療を除く。
骨に傷が積み重なった原因は繰り返しの動作なので、スパイク動作を止める。抗菌薬は感染、切除は腫瘍への手立てで、ストレッチは骨にかかる力を減らさない。原因を止めてから段階的に戻す。