「38歳の女性。身長160cm、体重55kg、胸囲88cm。毎年マンモグラフィを受けており、6か月前の検診でも異常を指摘されなかった。入浴時、左乳房に雀卵大のしこりがあることに気づいた。」最初に行うべき検査で最も適切なのはどれか。
正答:2
正答:2
38歳で乳腺が厚く、写真では見つけにくい。まず音波を当てて調べる。正答は2。
年齢による乳腺の状態を踏まえて、最初の検査を選べるか。
乳房の検査には、放射線を使う撮影と、体表から音波を当てる検査がある。前者は微小な石灰の粒を捉えるのが得意だが、乳腺の組織が多い若い人では画像全体が白く写り、その中の白いしこりが埋もれて見えにくい。この人は38歳で、半年前の撮影でも異常を指摘されていないのに、実際にはしこりを触れている。つまり撮影では捉えきれなかった可能性がある。音波を当てる検査は乳腺の厚さに左右されず、しこりの大きさ・形・内部の様子・血流を見られるうえ、放射線を使わず繰り返せる。したがって最初に行う検査として適する。誤肢は目的が違う。性ホルモンの量を測っても、しこりが何かは分からない。腫瘍マーカーは進行した状態や治療の経過を追うのに使うもので、しこりの診断には向かない。
検診で異常なしと言われていることを、そのまま安心の根拠にしないこと。この症例は、検診で見つからなかったしこりを本人が触れて気づいた形になっている。年齢によって適した検査が変わるという知識と、自覚症状があれば検診の結果に関わらず調べるという原則の、両方が問われている。
乳腺の組織が多い状態は高濃度乳房と呼ばれ、日本人の若い年代では多い。放射線を使う撮影と音波の検査は、得意な対象が違うので併用されることが多い。撮影は微小な石灰の粒、音波はしこりの形と内部を捉える。しこりの性状が疑わしければ、針を刺して細胞や組織を取る。乳癌の主な症状は無痛性で硬いしこりなので、痛くないことを安心の材料にしない。
検査を4つ並べ、すでに行われた検査と、目的の違う検査を混ぜる。解法は、(1) 年齢と組織の状態を確認、(2) 見たいものを見られる検査を選ぶ、(3) 診断ではなく経過を追う検査を除く。
38歳でしこりを触れ、半年前の撮影では異常なしなら、まず超音波検査を行う。乳腺が厚くても見え、放射線を使わない。撮影の繰り返しでは埋もれる可能性があり、性ホルモン量も腫瘍マーカーも診断には向かない。