「38歳の女性。身長160cm、体重55kg、胸囲88cm。毎年マンモグラフィを受けており、6か月前の検診でも異常を指摘されなかった。入浴時、左乳房に雀卵大のしこりがあることに気づいた。」診断確定のために行う検査はどれか。
正答:1
正答:1
しこりが何であるかを最後に決めるのは、取り出した組織を顕微鏡で見ること。正答は1。
画像で分かることと、画像では決められないことを区別できるか。
画像は、しこりの大きさ、形、境目、内部の様子、周りへの広がり、他の場所への転移を教えてくれる。しかし、その細胞が悪性かどうか、どういう性質の細胞かを決めることはできない。これを決めるには、しこりから細胞や組織を取って顕微鏡で見るしかない。針を刺して取る方法や、少し切って取る方法があり、悪性であれば同時にホルモンへの依存性なども調べて治療方針を決める。したがって診断を確定させるのは病理組織検査である。誤肢はいずれも画像で、広がりや転移を調べるのには使えるが、確定には至らない。
「詳しく見える検査ほど確実」と考えると画像を選んでしまう。悪性かどうかの最終判断は、どの臓器の腫瘍でも顕微鏡で細胞を見ることによる。画像は、どこにあるか、どこまで広がっているかを教えるもの。役割が違うので、どちらが優れているという話ではない。
組織を取る方法には、細い針で細胞を吸い出す方法、太めの針で組織の柱を取る方法、切開して取る方法があり、しこりの大きさや位置で選ばれる。悪性と分かれば、ホルモン受容体とHER2の有無を調べ、ホルモン療法や分子標的薬の適応を決める。画像は、手術の範囲を決めるためと、他の場所への転移を調べるために使われる。診断の順番は、触れる、画像で見る、組織を取る、という流れになる。
検査を4つ並べ、画像を3つ置く。解法は、(1) 確定診断は顕微鏡で細胞を見ることと決めておく、(2) 画像がどこまで教えてくれるかを確認、(3) 役割の違いで選ぶ。
乳房のしこりの診断を確定させるのは病理組織検査。CT・PET・MRIはいずれも画像で、広がりや転移を調べるのに使うが、細胞が悪性かどうかは決められない。確定診断は顕微鏡と決めておく。