「記憶を維持し、思考を経験として蓄積する」とされる五神に関連する臓はどれか。
正答:4
正答:4
五神(神・魂・魄・意・志)のうち、記憶を保持し、思考したことを経験として蓄えて定着させる働きは「志」で、腎に蔵される。正答は腎。脾の「意」は思考・思惟そのものを担う。
五神と五臓の対応(神=心、魂=肝、魄=肺、意=脾、志=腎)と、特に意(脾)と志(腎)の働きの違い(意=思考・思惟、志=記憶の保持・経験の蓄積・意志の持続)を区別できるか。
五神は精神活動を五臓に配当したもの。心は神を蔵し精神活動全体を統率する。肝は魂を蔵し、神に従って働く意識や計画・夢を担う。肺は魄を蔵し、本能的・感覚的な活動や形体の働きを担う。脾は意を蔵し、思いめぐらす思考・思惟を担う(思いすぎれば脾を傷る)。腎は志を蔵し、意によって思考した内容を記憶として保持し、経験として蓄積して意志や目標の持続につなげる。『霊枢』本神篇に「意の存する所を志という」とあるとおり、意(思考)が保存・定着したものが志(記憶)。設問の「記憶を維持し、思考を経験として蓄積する」は志の説明で、腎が正答。腎精が髄を生じ脳(髄海)を養うことも、腎と記憶の結びつきを支える。
意(脾)と志(腎)の説明文が似ていて最も間違えやすい。意=「思う・考える」段階、志=「覚えておく・経験として積む・志す」段階。『霊枢』本神篇の「意の存する所を志という」で順序を固定する。健忘は腎精不足(髄海不足)と結びつけて覚えると、記憶=腎がつながる。五志(怒喜思憂恐)と五神(神魂魄意志)の混同にも注意。
『霊枢』本神篇の系列は、心に任ずる所の物を意(思考)、意の存する所を志(記憶・意志)、志によって存変するを思、思によって遠く慕うを慮、慮によって物を処するを智、と段階的に述べる。五神の配当は心=神(統率)、肝=魂(陽の神:意識・計画・夢)、肺=魄(陰の神:本能・感覚)、脾=意(思考)、腎=志(記憶・意志)。高齢者の健忘は腎精不足で髄海が満たされないことと、脾気虚で意が養われないことの両面で考える。
五神の説明文だけを与えて臓を選ばせ、意(脾)と志(腎)の近い定義で迷わせる。解法は、(1) 「記憶の保持・蓄積」は志、(2) 志=腎。「思考」の語に引かれて脾を選ばない。
五神は精神活動の五臓配当で、心が神、肝が魂、肺が魄、脾が意、腎が志を蔵する。意は脾の神で思いめぐらす思考、志は腎の神でその思考を記憶として保持し経験として蓄積し意志を持続させる働き。設問の「記憶を維持し、思考を経験として蓄積する」は志なので腎。意と志は『意の存する所を志という』の順で区別する。