次の症例の病証にみられる症状で最も適切なのはどれか。「48歳の男性。胸苦しさがあり、噯気や放屁が多い。毎日夜遅くまで飲酒する習慣がある。」
正答:2
正答:2
胸苦しさ、噯気(げっぷ)、放屁が多い、飲酒習慣という症例は、気の流れが滞った気滞(肝の疏泄失調から胃腸の気機が滞る肝気犯胃・肝脾不和の像)。気滞でみられる精神症状は抑うつ感(気分の塞がり)。正答は2。
気滞の症状(脹痛・噯気・放屁・ため息・抑うつ・症状の変動)を、気陥(内臓下垂・失禁)、血虚(しびれ)、水湿(むくみ)と区別できるか。
気滞は気の運行が滞る病証で、張って苦しい感じ(脹痛)、ため息、噯気や放屁が多い(溜まった気が出口を求める)、気分が塞いで抑うつ的になる、症状が情緒で変動する、といった症状を出す。肝の疏泄失調が根にあることが多く、情志の失調や飲酒・飲食の不摂生で胃腸の気機が滞ると、胸脇や上腹部の張り、噯気・放屁が目立つ。本例の胸苦しさ・噯気・放屁は気滞の典型で、気滞の精神面の症状として抑うつ感が最も合う。尿失禁は気虚・気陥や腎気不固、手足のしびれは血虚(肝血不足で筋脈が養われない)、皮膚のむくみは水湿の停滞(脾虚・腎虚・肺の失調)の症状。
噯気・放屁は気滞の代表的な「気の出口を求める」症状で、食滞でも出るが、食滞なら酸腐臭の噯気・厭食が前面に出る。抑うつ感とため息はセット。気滞と気虚の区別(脹=滞、だるさ・無力=虚)、気滞と血瘀の区別(脹痛=滞、刺痛=瘀)。
気の病証は気虚(倦怠・無力・自汗・息切れ)、気陥(内臓下垂・脱肛・失禁)、気滞(脹痛・噯気・放屁・抑うつ・ため息)、気逆(咳逆・嘔吐・しゃっくり・頭痛めまい)に分ける。気滞が長引くと血瘀や痰湿を生み、化火すれば肝火。気滞の治療は疏肝理気で、太衝・期門・内関・膻中・合谷などを用いる。生活指導では飲酒や過食を控え、情志の調整と適度な運動で気をめぐらせる。
気滞の典型症状(噯気・放屁・胸苦しさ)を与え、気の他の病証や血・水の症状を並べる。解法は、(1) 症状から気滞と判断、(2) 気滞の精神症状=抑うつ・ため息。
胸苦しさ・噯気・放屁が多く、飲酒習慣がある症例は気の運行が滞った気滞で、肝の疏泄失調から胃腸の気機が滞る像。気滞では脹った苦しさ、ため息、気分の塞がり(抑うつ感)が出て、情緒で変動する。尿失禁は気陥・腎気不固、手足のしびれは血虚、皮膚のむくみは水湿停滞の症状で、気滞ではない。