奇経八脈病証で「背骨のこわばり、頭痛、心臓部痛、足の冷え、遺尿がある」のはどれか。
正答:1
正答:1
背骨がこわばって反る(脊強反折)、頭痛、心痛、下肢の冷え、遺尿という組合せは督脈の病証。督脈は後正中線を上って脳に入り、陽気を総督し、腎・膀胱と関係が深い。正答は1。
奇経八脈それぞれの病証(督脈=脊強反折・頭痛・癲癇・遺尿、任脈=疝気・帯下・腹中の塊、衝脈=逆気・里急・月経不順・不妊、帯脈=腹満・腰の弛緩・帯下)を走行と結びつけて区別できるか。
督脈は胞中に起こり、会陰から後正中線を上って脊柱に沿い、風府から脳に入り、頭頂から顔面正中に下る。陽脈の海として陽気を総督し、腎に絡して下肢・二陰とも関わる。そのため督脈の病では、背骨のこわばりや反り返り(脊強反折・角弓反張)、頭痛、脳に関わる癲癇、陽気が通らないことによる足の冷え、腎・膀胱の固摂失調による遺尿・痔が出る。心臓部の痛みは督脈が心・腎と関わることによる。任脈は前正中で陰脈の海、男子は疝気(七疝)、女子は帯下や腹中の塊(瘕聚)。衝脈は十二経の海で、気が逆上する(逆気・里急)、月経不順・不妊。帯脈は腰腹部を横に束ね、腹満・腰が水に浸かったように重だるく弛緩・帯下。
督脈と膀胱経の病証は脊柱・後頭部の症状が重なる。膀胱経は頭頂・後頭・項背・腰・下肢後面の痛みと精神異常、督脈は脊強反折・角弓反張・癲癇・遺尿と「背骨が反る」「脳」の症状。任脈と衝脈はどちらも胞中から起こり婦人科症状を共有するが、衝脈は逆気、任脈は疝気・帯下。
奇経八脈の病証(『難経』二十九難):督脈は脊強くして厥す、任脈は内に苦しみ男子は七疝・女子は瘕聚、衝脈は逆気して里急、帯脈は腹満・腰が溶々として水中に坐すが如し、陽蹻は陰緩んで陽急、陰蹻は陽緩んで陰急、陽維は寒熱に苦しむ、陰維は心痛に苦しむ。八脈交会穴は督脈=後渓、任脈=列欠、衝脈=公孫、帯脈=足臨泣、陽蹻=申脈、陰蹻=照海、陽維=外関、陰維=内関。
奇経4脈を並べ、症状群から走行と結びつけて選ばせる。解法は、(1) 背骨・頭・脳の症状=後正中=督脈、(2) 遺尿・足の冷え=陽気と腎膀胱=督脈、(3) 任・衝は腹部、帯は腰の弛緩。
督脈は胞中に起こり後正中線を上って脳に入り、陽気を総督し腎に絡する。その病証は背骨のこわばりや反り返り、頭痛、癲癇、足の冷え、遺尿・痔、心痛。任脈は疝気・帯下・腹中の塊、衝脈は逆気・里急・月経不順、帯脈は腹満・腰の弛緩・帯下。本例の背骨のこわばり・頭痛・心痛・足の冷え・遺尿は督脈病証。