次の症例で最も考えられる頭痛はどれか。「50歳の女性。月に15回以上頭痛を自覚。主に午後や夕方に頭の両側や後頸部に締め付けられる痛みがある。鎮痛薬は月に4、5回服用。」
正答:2
正答:2
月に15回以上、午後から夕方に、頭の両側と後頸部が締め付けられるように痛む。鎮痛薬は月に4、5回。緊張型頭痛。正答は2。
痛みの部位・性状・出る時間帯・頻度・鎮痛薬の使用回数から、頭痛の型を決められるか。
緊張型頭痛は、頭頸部の筋の持続的な収縮と精神的緊張を背景に起こる。痛みは両側性で、後頭部から後頸部・側頭部にかけて締め付けられる、あるいは重い感じとして訴えられる。拍動性ではなく、日中の活動や作業の蓄積で午後から夕方に強まりやすい。悪心・嘔吐や光過敏は目立たず、動いても悪化しない。慢性化すると月15日以上に及ぶ。本例は両側・後頸部・締め付け・午後から夕方という記述がすべて緊張型頭痛の特徴に一致する。鎮痛薬が月4、5回にとどまる点は、薬物の使いすぎによる頭痛を否定する材料になる。
月15回以上という記述だけを見て薬物の使いすぎによる頭痛に飛びつきやすいが、この型で数えるのは頭痛の日数ではなく薬を使った日数。本例は服用が月に4、5回で条件を満たさない。緊張型と片頭痛は、痛みの性状(締め付け/拍動)、両側か片側か、動作で悪化するかで分ける。
緊張型頭痛では後頸部・肩の筋の圧痛が高頻度に見られ、鍼灸では天柱・風池・肩井・完骨など後頸部から肩上部の筋緊張を緩める配穴が用いられる。姿勢、長時間の作業、精神的ストレスが誘因になるため、作業姿勢と休憩の指導を併せる。片頭痛では発作期の強い刺激は悪化させることがあり、寛解期の体調管理が中心になる。群発頭痛は激痛のため医療機関での治療が優先され、重度例では在宅酸素療法の対象にもなる。
頭痛の型を4つ並べ、頻度と鎮痛薬の使用回数という数字を紛れ込ませる。解法は、(1) 部位が片側か両側か、(2) 性状が拍動性か締め付けか、(3) 随伴症状と誘因、(4) 数字が何を数えているかを確認、の順で絞る。
両側の頭部と後頸部が締め付けられるように痛み、午後から夕方に強まるのが緊張型頭痛。頭頸部の筋緊張と精神的緊張が背景にある。片頭痛は片側性・拍動性で悪心と光過敏を伴い動作で悪化、群発頭痛は一側眼窩部の激痛に流涙や鼻閉を伴う。薬物の使いすぎによる頭痛は薬を使った日数で判断するので、月に4、5回では該当しない。