フォンテインの分類により重症度を確認するのはどれか。
正答:3
正答:3
フォンテイン(Fontaine)分類は、下肢の末梢動脈が粥状硬化で慢性閉塞する閉塞性動脈硬化症(ASO)の重症度分類。Ⅰ度の冷感・しびれ、Ⅱ度の間欠性跛行、Ⅲ度の安静時痛、Ⅳ度の潰瘍・壊死へと進む。正答は閉塞性動脈硬化症。
「フォンテイン分類」が何の疾患の重症度分類かを知っているか。同時に、下肢痛・跛行をきたす4疾患(動脈性・神経性・静脈性・椎間板性)をそれぞれの病態と評価法で区別できるか。
閉塞性動脈硬化症は、粥状動脈硬化により四肢、特に下肢の末梢動脈に生じた慢性閉塞性疾患で、50歳以上の男性に多い。歩行で筋の酸素需要が増すと狭窄部より末梢が虚血になり、立ち止まると回復する血管性の間欠性跛行を呈し、患側の皮膚温低下・蒼白、足背動脈や後脛骨動脈の拍動減弱が診察所見になる。重症度はフォンテイン分類でⅠ度(冷感・しびれ)、Ⅱ度(間欠性跛行)、Ⅲ度(安静時痛)、Ⅳ度(潰瘍・壊死)に分け、鍼灸の適応判断や専門医紹介の目安にもなる。腰部脊柱管狭窄症も間欠性跛行を起こすが、それは馬尾・神経根の圧迫による神経性で、前屈やしゃがみ込みで速やかに改善する点で区別する。腰椎椎間板ヘルニアは神経根症状で、SLRテストなどの神経伸展テストと腱反射で高位を評価する。深部静脈血栓症は静脈の閉塞で、片側下肢の腫脹・疼痛が主で跛行の分類はしない。
間欠性跛行を起こす2疾患、閉塞性動脈硬化症(血管性)と腰部脊柱管狭窄症(神経性)の鑑別。血管性は歩行量で決まり立ち止まれば姿勢に関係なく回復、足背動脈の拍動が弱い。神経性は前屈・しゃがみ込みで改善し、自転車なら長く漕げる、拍動は正常。フォンテイン分類は前者だけ。深部静脈血栓症は腫脹が主で、跛行の分類を持たない。
フォンテイン分類はⅠ度 無症状〜冷感・しびれ、Ⅱ度 間欠性跛行(Ⅱa 跛行距離200m以上、Ⅱb 200m未満)、Ⅲ度 安静時痛、Ⅳ度 潰瘍・壊死。Ⅲ度以上は重症下肢虚血で、血行再建の適応になるため鍼灸単独で抱え込まない。診察では下肢挙上試験(仰臥位で両下肢を挙上し足底の色調を見る)、足関節上腕血圧比(ABI)も参考になる。腰部脊柱管狭窄症の神経性間欠性跛行は両側性に2〜3根にまたがることが多く、馬尾症状(会陰部のしびれ・残尿感)を伴いうる点も鑑別に役立つ。
「下肢の痛み・跛行」で一括りにされる4疾患を並べ、分類名だけで答えさせる形。フォンテインを知らなくても、「重症度を段階づける分類が必要なほど進行性で、末期に潰瘍・壊死に至る疾患はどれか」と読めば閉塞性動脈硬化症に絞れる。解法は、(1) 分類名の疾患を想起、(2) できなければ動脈・静脈・神経・椎間板の4病態に分けて、重症度分類を持つ進行性の虚血疾患を選ぶ。
閉塞性動脈硬化症は下肢末梢動脈の粥状硬化による慢性閉塞で、50歳以上の男性に多く、血管性間欠性跛行・皮膚温低下・動脈拍動減弱を示す。重症度はフォンテイン分類でⅠ〜Ⅳ度に分け、Ⅱ度が間欠性跛行、Ⅲ度が安静時痛、Ⅳ度が潰瘍・壊死。腰部脊柱管狭窄症の跛行は神経性で前屈で改善する。椎間板ヘルニアは神経根症状でSLRテスト、深部静脈血栓症は片側の腫脹。フォンテイン分類を使うのは閉塞性動脈硬化症だけ。