小児疳の虫に対して小児斜差の灸とちりげの灸を行った。棘突起で取穴の指標とならないのはどれか。
正答:2
正答:2
小児斜差の灸とちりげの灸で指標となる棘突起は第3胸椎(身柱)、第9胸椎(肝兪)、第11胸椎(脾兪)。第5胸椎は用いない。正答は2。
小児に用いる古典的な灸法の取穴が、どの椎骨を指標にしているかを言えるか。
ちりげの灸は身柱に据える灸で、身柱は督脈の上背部、後正中線上、第3胸椎棘突起下方の陥凹部にある。小児の虚弱体質の改善や疳の虫に古くから用いられてきた。小児斜差の灸は、身柱と、片側の肝兪、その反対側の脾兪を斜めに結ぶように取る灸法である。肝兪は第9胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分、脾兪は第11胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分にある。したがって指標となる棘突起は第3・第9・第11胸椎。第5胸椎の高さにあるのは督脈の神道と背部の心兪で、これらはこの2つの灸法には含まれない。
背部兪穴の高さを取り違えると全部崩れる。第9胸椎が肝兪、第11胸椎が脾兪、第5胸椎が心兪。心兪を脾兪と勘違いすると第5胸椎を指標だと思ってしまう。指標とならないものを選ぶ設問なので、使うものを3つ挙げて残りを選ぶという読み方をする。
疳の虫は特定の疾患名ではなく、生後3か月頃から5歳頃の小児が示す、奇声、夜泣き、不眠、不機嫌、噛みつくなど異常に興奮しやすい状態への俗称である。乳幼児期の急速な発達に伴う心身のアンバランスが要因のひとつとされる。小児鍼では、刺入せず皮膚を接触・摩擦する集毛鍼(ローラー鍼、いちょう鍼、ばち鍼など)が用いられ、皮内鍼・円皮鍼も夜泣き・夜驚、感冒、食思不振、下痢、便秘などに適応となる。灸は熱刺激が強すぎないよう、小児では知熱灸や糸状灸を選ぶ。
複数の灸法の取穴指標をまとめて問い、含まれない高さを1つ混ぜる。解法は、(1) 各灸法で使う経穴を列挙する、(2) 各経穴の椎骨の高さを出す、(3) 選択肢のうちその集合に入らないものを選ぶ。
ちりげの灸は身柱(第3胸椎棘突起下)、小児斜差の灸は身柱と左右の肝兪(第9胸椎)・脾兪(第11胸椎)を斜めに結んで取る。したがって指標は第3・第9・第11胸椎で、第5胸椎(神道・心兪の高さ)は用いない。背部兪穴の高さを正確に覚えておく。