「37歳の女性。主訴は左顎関節痛。2か月前から職場のストレスとともに痛みを自覚し始め、月経前には痛みが増悪する。胃のもたれ感、胸やけ、嘔気を伴うこともある。」病証に対する治療穴の組合せで最も適切なのはどれか。
正答:3
正答:3
肝胃不和では肝と胃の両方を治める。肝経の滎火穴である行間と、胃経の滎水穴である内庭の組合せ。正答は3。
病証が関わる二つの経を決め、それぞれから同じ性格の五兪穴を選べるか。
肝胃不和は、肝の疏泄失調が胃を犯して胃気が上逆した病証なので、治法は疏肝和胃。肝と胃の両方に働きかける必要がある。行間は足厥陰肝経の滎火穴で、肝気の鬱結を疏らし、化した熱を清める。内庭は足陽明胃経の滎水穴で、胃の熱を清め、胃気を下降させる。滎穴は熱を主るとされ、二経の滎穴を組むことで、肝と胃それぞれの熱と気の逆上を治める形になる。他の組合せは、肝と胃の両方を覆っていないか、覆う臓腑がずれている。
太衝と陰陵泉はどちらも頻用穴なので、もっともらしく見える。しかし脾と胃は表裏の別臓腑で、肝胃不和で治めるべきは胃。臓腑をひとつずつ照合すると外れる。逆に、同じ経の穴を2つ並べた組合せは、片方の臓腑しか覆えないので落ちる。
五兪穴は主治で整理されている。井穴は心下満、滎穴は身熱、兪穴は体重節痛、経穴は喘咳寒熱、合穴は逆気して泄すとされる。滎穴が熱を主ることから、実熱や気の上逆を伴う病証では二経の滎穴を組む形がしばしばとられる。肝胃不和の治療では、これに中脘・足三里・内関・期門・太衝などを加え、疏肝和胃を図る。内関は心包経の絡穴であると同時に八脈交会穴として陰維脈に通じ、公孫と対で循環器・消化器疾患を主治する。
同一経の穴を並べた組合せと、隣接臓腑にずらした組合せを混ぜる。解法は、(1) 病証が関わる臓腑を2つ挙げる、(2) 各選択肢の穴の所属経を確認する、(3) 2つの臓腑を過不足なく覆う組合せを選ぶ。
肝胃不和では肝と胃の両方を治める。肝経の滎火穴である行間で疏肝清熱、胃経の滎水穴である内庭で清胃降逆。同じ胃経の穴を2つ並べた組合せでは肝に働かず、太衝と陰陵泉は肝と脾の組合せで胃を治めない。所属経を1穴ずつ確認するのが確実。