「38歳の女性。主訴は左側頭部痛。目の前がチカチカしてから1時間以内に痛みが起こり、拍動性で嘔気を伴う。発症すると痛みのため仕事を休んでしまう。」疾患として最も考えられるのはどれか。
正答:4
正答:4
目の前がチカチカしてから1時間以内に始まる拍動性の頭痛で、嘔気を伴い、仕事を休むほど。前兆のある片頭痛。正答は4。
前兆・痛みの性状・随伴症状・日常生活への支障から、頭痛の型を決められるか。
目の前がチカチカするのは閃輝暗点と呼ばれる視覚の前兆で、後頭葉の血流低下によると考えられている。これが起こってから60分以内に頭痛が始まり、片側性・拍動性で、悪心・嘔吐を伴い、動くと悪化して日常生活が妨げられるのが片頭痛の典型経過である。本例は左側頭部という片側性、拍動性、嘔気、仕事を休むという支障の4点がそろい、しかも前兆がある。したがって片頭痛。緊張型頭痛は両側性で締め付けられる痛み、動作で悪化せず日常生活は続けられる。群発頭痛は前兆がなく、一側の眼窩部に激痛が起こる。低髄液圧症候群は体位で痛みが変わるのが特徴で、前兆はない。
片頭痛と群発頭痛はどちらも激しく片側性なので混ざりやすい。分かれ目は前兆の有無、痛みの部位(片頭痛は側頭部が多い、群発頭痛は眼窩部)、自律神経症状の有無、持続時間(片頭痛は4〜72時間、群発頭痛は15分〜3時間)。閃輝暗点が書かれていれば片頭痛と決めてよい。
片頭痛は硬膜の血管が拡張して周囲の三叉神経終末を刺激することで起こると考えられ、拍動性という性状はこれに対応する。誘因にはコーヒー、紅茶、チョコレート、赤ワイン、月経周期、睡眠の過不足、天候の変化がある。原因となった動脈を圧迫すると軽くなることがある。鍼灸では発作期の強刺激は避け、寛解期に頸肩部の緊張緩和と誘因の管理を行う。頭痛は一次性と二次性に分け、突然の激しい頭痛、発熱と項部硬直、神経脱落症状、頭部外傷後の頭痛は二次性を疑って医療機関へ紹介する。
前兆と随伴症状を丁寧に書き、一次性頭痛を3つと二次性頭痛を1つ並べる。解法は、(1) 前兆の有無を確認、(2) 片側か両側か、拍動性か締め付けか、(3) 随伴症状と日常生活への支障、(4) 体位による変化の有無、で絞る。
目の前がチカチカする閃輝暗点に続いて1時間以内に始まる、片側の拍動性頭痛。嘔気を伴い仕事を休むほど支障が出る。これは前兆のある片頭痛。緊張型は両側の締め付けで支障が少なく、群発は眼窩部の激痛で前兆がなく、低髄液圧症候群は起立性頭痛が特徴。