「38歳の女性。主訴は左側頭部痛。目の前がチカチカしてから1時間以内に痛みが起こり、拍動性で嘔気を伴う。発症すると痛みのため仕事を休んでしまう。」郄穴を用いて循経取穴による治療を行う場合、最も適切なのはどれか。
正答:2
正答:2
痛むのは左側頭部で、ここを走るのは足少陽胆経。循経取穴なら胆経から取り、郄穴を用いるなら外丘。正答は2。
痛む部位から罹患経を決め、その経の郄穴を言えるか。
循経取穴は、症状が現れている部位を走る経の上から経穴を取る方法である。側頭部を広くめぐるのは足少陽胆経で、頭痛のうち側頭部痛は少陽経の頭痛として扱われる。次に郄穴。郄穴は経気が深く集まるところで、急性の症状や痛みに用いる。足少陽胆経の郄穴は外丘で、下腿外側にある。したがって外丘。他の選択肢はいずれも郄穴だが所属経が違い、孔最は手太陰肺経、金門は足太陽膀胱経、中都は足厥陰肝経の郄穴である。循経取穴という条件がある以上、胆経以外は選べない。
4つとも郄穴なので、郄穴を知っているだけでは決まらない。決め手は所属経で、それを決めるのは痛む部位。頭痛の部位と経の対応は、前頭部が陽明、側頭部が少陽、後頭部が太陽、頭頂部が厥陰。中都(肝経)は厥陰なので頭頂部に対応し、側頭部ではない点を押さえる。
郄穴は各経に1穴ずつあり、陰維脈・陽維脈・陰蹻脈・陽蹻脈にもあるので合計16穴。古典には少陰郄(陰郄)、温溜(手陽明)、会宗(手少陽)、養老(手太陽)、地機(足太陰)、中都(足厥陰)、水泉(足少陰)、交信(陰蹻脈)、築賓(陰維脈)、梁丘(足陽明)、外丘(足少陽)、陽交(陽維脈)、金門(足太陽)、跗陽(陽蹻脈)を含む17穴が挙げられており、代田文誌は16種類を挙げ現代中医学もこれに従っている。郄穴は急性症状に、とくに陰経の郄穴は出血に用いられるとされる。
同じ性格の要穴(ここでは郄穴)を4つ並べ、所属経で分ける。解法は、(1) 症状の部位を走る経を決める、(2) 要穴の種類を確認する、(3) その経のその要穴を出す。
側頭部を走るのは足少陽胆経。循経取穴なので胆経から取り、郄穴を用いるという条件から外丘になる。孔最は肺経、金門は膀胱経、中都は肝経の郄穴で、いずれも側頭部を走らない。頭痛の部位と経の対応(前頭=陽明、側頭=少陽、後頭=太陽、頭頂=厥陰)を押さえておく。