「45歳の女性。心窩部右側の強い痛みと悪心があり近医を受診。血中コレステロール、中性脂肪はともに高値でBMIは27。右肩への放散痛があり、マーフィー徴候は陽性。背部叩打痛と便通異常はない。」主訴を主治する奇穴を取穴する場合の指標として最も適切なのはどれか。
正答:4
正答:4
主訴は胆嚢の疾患による右季肋部痛。これを主治する奇穴は胆嚢点で、陽陵泉の下約1寸に取る。陽陵泉は腓骨頭前下方の陥凹部なので、指標は腓骨頭。正答は4。
疾患に対応する奇穴を思い出し、その取穴の指標となる骨指標を選べるか。
奇穴は経脈に属さないが名称と部位が定まっている経穴で、特定の疾患に対する主治がはっきりしているものが多い。本例の主訴は胆嚢疾患による痛みなので、主治する奇穴は胆嚢点(Ex-LE6)である。胆嚢点は足少陽胆経の陽陵泉の下約1寸に取る。その陽陵泉は下腿外側、腓骨頭前下方の陥凹部にあり、長腓骨筋腱の前縁に取る。つまり胆嚢点を取るには、まず腓骨頭を触れて陽陵泉を定め、そこから下方1寸を測ることになる。したがって指標は腓骨頭。他の選択肢はそれぞれ別の奇穴の指標で、腰三角は腰眼、膝蓋骨底は鶴頂、膝蓋靱帯は膝眼の指標である。
膝周囲の奇穴が3つ並ぶので、部位のイメージだけでは分かれない。主治で先に絞る。膝関節疾患なら膝眼・鶴頂、腰痛なら腰眼、胆嚢疾患なら胆嚢点。次に、その奇穴が基準にする経穴や骨指標を思い出す。胆嚢点は陽陵泉を経由するので、陽陵泉の部位(腓骨頭前下方)まで戻れるかが決め手になる。
奇穴は48穴の名称と表記法が国際標準用語として定められており、頭頸穴・胸腹穴・背部穴・上肢穴・下肢穴に分けられる。1901年以降に定められたものを新穴、名称も部位も定まっていない圧痛点を阿是穴(天応穴)と呼び、区別する。下肢の奇穴には膝眼、胆嚢点、闌尾(虫垂点)、八風、裏内庭、失眠などがあり、いずれも主治がはっきりしている。闌尾は足三里の下方約2寸で虫垂炎、裏内庭は足底の第2指、失眠は踵の中央で不眠を主治する。
同じ下肢の奇穴の指標を並べ、主治が違うものを混ぜる。解法は、(1) 主訴からどの奇穴かを決める、(2) その奇穴の取り方を思い出す、(3) 基準にする経穴や骨指標を答える。
胆嚢疾患を主治する奇穴は胆嚢点で、陽陵泉の下約1寸に取る。陽陵泉は腓骨頭前下方の陥凹部なので、取穴の指標は腓骨頭。腰三角は腰眼、膝蓋骨底は鶴頂、膝蓋靱帯は膝眼の指標で、いずれも主治が違う。奇穴は主治で絞ってから部位を思い出す。