問168
下腿前面への刺鍼による迷走神経反射で胃運動が亢進した。関与する九刺はどれか。
この問題の分類段階3 応用症例や条件を判断材料にする問題
正答:4
正答:4
患部から離れた手足へ刺して、内臓の症状を治める刺し方。正答は4。
古典の刺し方の分類を、刺す場所と狙いで対応づけられるか。
古典には刺し方の分類がいくつかあり、そのうち9種類にまとめたものが九刺である。この設問は、下腿の前面という患部から離れた場所へ刺して、胃という体幹の臓器の働きが変わった場面を示している。患部から離れた四肢の末端へ刺して、上部や体幹の症状を治めるやり方は遠道刺と呼ばれる。したがって記述4が正しい。誤肢は狙いが違う。細い絡脈を狙って出血させるもの、左右を入れ替えて反対側へ刺すもの、大きく瀉すことを狙うものは、いずれもこの場面の説明に当てはまらない。
反対側へ刺すやり方と、離れた場所へ刺すやり方はどちらも「患部そのものには刺さない」点が共通するため紛らわしい。前者は左右の入れ替え、後者は上下・遠近の入れ替えと整理すると分けられる。設問が下腿と胃という上下の関係を示している点が手がかりになる。
下腿の前面への刺激で胃の働きが変わる現象は、脊髄より上の高さで起こる反射として説明される。刺激が入る場所と効果が出る場所が遠く離れている場合、脊髄の分節の範囲では説明できず、脳を経由する反射が想定される。古典の分類と現代の生理学の説明が重なる場面であり、両方の言葉で言えるようにしておくと理解が深まる。
九刺の名称を4つ並べ、場面から選ばせる。解法は、(1) 刺した場所と効果の出た場所を確認、(2) 遠近か左右かを決める、(3) 対応する名称を選ぶ。
関与する九刺は遠道刺。患部から離れた四肢へ刺して体幹の症状を治める。巨刺は左右の入れ替え、絡刺は絡脈からの出血、大瀉刺は瀉法。