透熱灸で生じた施灸局所の膨隆に最も関与するのはどれか。
正答:2
正答:2
感覚神経の終末から出るペプチドが血管に働き、成分が漏れて膨らむ。正答は2。
局所の膨らみに関わる物質を、出どころと作用から選べるか。
皮膚へ侵害となる刺激が加わると、感覚の線維の終末から神経ペプチドが放出される。これらは血管を広げるとともに、血管の壁の透過性を高めるため、血液の液体成分が周りへ漏れ出て膨らみができる。この場面の代表として挙げられるのが、感覚神経の終末から放出されるペプチドである。したがって記述2が正しい。誤肢は作用が違う。交感神経の終末から出る物質は血管を締める側、体内で作られる鎮痛の物質は痛みを抑える側、血管の内側の細胞から出るペプチドは血管を強く締める側である。
血管に働く物質は、広げる側と締める側に分かれる。膨らみは血管が広がり透過性が高まって生じるので、締める側の物質を選ぶと外れる。物質名を見たら、まず広げるか締めるかを判定する習慣をつける。
講義では、この現象を神経が起こす炎症として説明する。細い無髄の線維が興奮すると、その終末から神経ペプチド(サブスタンスP、CGRP)が局所へ出て、血管が広がり、壁の透過性が高まって血液の液体成分が漏れ出る。その部位は機械的な刺激に対して過敏になり、水分とイオンが増えるために皮膚の電気の通りやすさも高くなる。内臓に炎症を起こした動物では、体表の決まった部位にこの反応が現れ、そこへ刺鍼すると症状が抑えられたという研究が示されている。昔から施術者が体表を探って圧痛のある場所へ刺してきたことに、この仕組みで説明がつく。
物質を4つ並べ、血管を締める側を2つ置く。解法は、(1) 各物質の出どころを書く、(2) 血管を広げるか締めるかを判定、(3) 感覚神経の終末から出るものを選ぶ。
施灸局所の膨隆に最も関与するのはCGRP。ノルアドレナリンとエンドセリンは血管収縮の側、エンケファリンは鎮痛に関わる物質。