施灸により血圧上昇をきたす反射の遠心路を構成するのはどれか。
正答:4
正答:4
施灸で血圧が上がる反射は、求心路を体性感覚神経、遠心路を自律神経(交感神経)とする体性―内臓反射。自律神経の遠心路は節前線維が有髄B線維、節後線維が無髄C線維で、選択肢の中で自律神経の線維はB線維だけなので正答はB線維。
反射弓の遠心路が自律神経であることと、自律神経の線維分類(節前B・節後C)を知っているか。さらに、第29回問179(同じ設問文で正答がC線維)と選択肢の構成が違うことに気づき、選択肢に合わせて答えを選べるか。
皮膚への熱・侵害刺激は Aδ線維・C線維を通って中枢に入り(求心路)、反射性に自律神経活動を変える(遠心路)。血圧を上げる方向の反応は交感神経活動の亢進(心拍数増加・血管収縮、副腎髄質からのカテコールアミン分泌)で起こる。交感神経も節前ニューロンと節後ニューロンの2段からなり、節前線維は有髄のB線維、節後線維は無髄のC線維。この問題の選択肢にはC線維が無く、自律神経の線維として挙がっているのはB線維だけなので、遠心路を構成するのはB線維。Aα・Aγは骨格筋への運動線維、Aδは求心性の痛覚・温度覚線維で、いずれも内臓効果器への遠心路にならない。
第29回問179はほぼ同じ設問文で、選択肢が Aα/Aβ/Aδ/C で正答がC線維(節後線維)だった。第34回は選択肢が Aα/Aγ/Aδ/B で正答がB線維(節前線維)。同じ論点でも「自律神経の線維はどれか」を選択肢の中から拾う問題なので、過去問の答えを丸暗記すると逆に外す。もう一つは Aδ線維を「灸の刺激を伝える線維」として選んでしまう求心路と遠心路の混同。
体性―自律神経反射による血圧応答は、刺激部位と麻酔の有無などで向きが変わり、教科書は筋への鍼刺激で腎交感神経活動が抑制され血圧が低下する実験を紹介している。一方、透熱灸のような侵害性の強い刺激は交感神経活動を亢進させ、血圧上昇・心拍数増加の方向に働く。いずれの場合も効果器に達する最終経路は自律神経で、線維分類では節前B・節後C。第29回・第34回の2題は、この「遠心路=自律神経=B・C」という一点を、選択肢の並べ方だけ変えて問い直している。
過去問の記憶(第29回の正答C線維)で選ぼうとすると、C線維が無い選択肢に戸惑って Aδ に流れる作り。解法は、(1) 遠心路=自律神経と確定、(2) 自律神経の線維は節前B・節後C、(3) 選択肢にある方(本問ならB)を選ぶ。Aで始まる線維は全部、骨格筋の運動か体性感覚の求心線維なので候補から外す。
施灸による血圧上昇は体性―内臓反射で、求心路はAδ・C線維、遠心路は交感神経。交感神経は節前線維が有髄B線維、節後線維が無髄C線維。本問の選択肢にはC線維が無いので、自律神経の線維であるB線維が正答。Aα(骨格筋運動)、Aγ(筋紡錘運動)、Aδ(痛覚・温度覚の求心)はいずれも内臓への遠心路にならない。第29回問179は同じ設問で選択肢にB線維が無くC線維が正答だったので、論点は「自律神経の線維=B・C」と覚え、選択肢に合わせて選ぶ。