1回の鼻腔内吸引時間の目安で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
1回の鼻腔内吸引時間の目安を問う。10〜15秒である。
この問題で問われていること
吸引に伴う危険から、時間の目安を導けるか。
しくみから理解する
吸引の間は、気道から空気とともに酸素も吸い出されるため、低酸素状態になる。加えて、カテーテルの刺激により、①迷走神経反射による徐脈と血圧低下、②粘膜の損傷と出血、③咳嗽と嘔吐、④気管支の攣縮、そして⑤頭蓋内圧の上昇が生じうる。これらを避けるため、1回の吸引は10〜15秒以内、カテーテルを挿入してから陰圧をかけている時間は10秒以内を目安とする。1回で吸引しきれない場合は、いったん中止して呼吸を整え、酸素飽和度が回復してから再度行う。
選択肢ごとの確認
20〜25秒は長すぎる。低酸素と、それに伴う不整脈の危険が高まる。
30〜35秒はさらに長く、危険になる。
40〜45秒は明らかに長すぎる。
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混同しやすいポイント
「10〜15秒」という数値を、理由とともに覚える。息を止めていられる時間を考えれば、それ以上かけることの危険が分かる。加えて、吸引に関わる他の数値も押さえる。①吸引圧=成人で20〜26kPa(150〜200mmHg)程度、小児と乳児ではより低く設定する、②カテーテルの太さ=気管チューブの内径の2分の1以下、③挿入の長さ=鼻腔内吸引で15〜20cm程度(咽頭まで)、成人の人工気道内吸引は通常、カテーテル先端が人工気道の末端を越えない浅い挿入とし、効果不十分時に限り熟練者が監視下で深い吸引を検討する、④間隔=酸素飽和度と呼吸状態が回復してから。
理解を深める
吸引を整理する。目的=気道の分泌物を除去し、気道を確保し、換気とガス交換を保つ。適応=①分泌物の貯留(副雑音、湿った咳、呼吸音の低下、視覚的な分泌物)、②酸素飽和度の低下、③呼吸困難と努力呼吸、④人工呼吸器の気道内圧の上昇、⑤自力で喀出できない。定時ではなく、必要なときに行う(不要な吸引は、粘膜を傷め、患者に苦痛を与える)。手順=①説明と同意、②手指衛生と手袋、必要に応じてマスクとゴーグル、③体位(半座位が望ましい)、④吸引前の酸素化(必要に応じて)、⑤カテーテルの準備(清潔操作。気管内吸引では滅菌手袋と滅菌カテーテル、または閉鎖式吸引システム)、⑥陰圧をかけずに挿入する、⑦陰圧をかけながら、静かに回しつつ引き抜く(同じ場所にとどめない)、⑧10〜15秒以内、⑨呼吸と酸素飽和度を確認する、⑩必要なら間をおいて繰り返す、⑪口腔と鼻腔の順序(気管→口腔・鼻腔の順。逆にしない)、⑫観察の記録(分泌物の量、色、性状、におい、血液の有無、患者の反応)。合併症=低酸素、不整脈と徐脈、粘膜の損傷と出血、感染、無気肺、気管支の攣縮、頭蓋内圧の上昇、そして苦痛と不安。吸引を減らす工夫=①加湿、②体位ドレナージ、③排痰の介助(呼吸介助、スクイージング、咳嗽の促し)、④水分、⑤離床と体位変換、⑥口腔ケア。吸引は苦痛を伴う処置であるため、必要性を判断し、短時間で確実に行い、その前後の関わりを丁寧にすることが看護になる。
間違えやすい考え方
時間を問う型で、誤肢がすべて長すぎる値である。低酸素の危険から切る。
5分で振り返る
①吸引の間は酸素も吸い出され低酸素になる。加えて、迷走神経反射による徐脈と血圧低下、粘膜の損傷、咳嗽と嘔吐、気管支の攣縮、頭蓋内圧の上昇が生じうる。②1回の吸引は10〜15秒以内、陰圧をかけている時間は10秒以内。③1回で取りきれなければ、いったん中止し、酸素飽和度が回復してから再度行う。④吸引圧は成人で20〜26kPa(150〜200mmHg)程度。小児と乳児ではより低く。⑤カテーテルは気管チューブの内径の2分の1以下の太さ。⑥挿入は、鼻腔内で15〜20cm程度。気管内では分岐部を超えない。⑦陰圧をかけずに挿入し、かけながら静かに回しつつ引き抜く。⑧順序は気管→口腔・鼻腔。逆にしない。⑨吸引を減らす工夫=加湿、体位ドレナージ、排痰の介助、水分、離床、口腔ケア。
1分チェック
- 1回の吸引時間は。→ 10〜15秒以内(陰圧をかけるのは10秒以内)。
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