輸液ポンプを使用する目的はどれか。
公式正答:4
解説
輸液ポンプを使用する目的を問う。薬液の注入速度の調整である。
この問題で問われていること
機器が何をする装置かを理解しているか。
しくみから理解する
輸液ポンプは、設定した速度で、一定量の輸液を送る機器になる。自然滴下では、①患者の体位、②刺入部位と血管の状態、③輸液バッグの高さ、④ルートの屈曲、により速度が変動するため、厳密な管理ができない。ポンプを用いることで、時間あたりの注入量が一定に保たれる。したがって、目的は注入速度の調整になる。用いる場面は、昇圧薬、抗不整脈薬、インスリン、抗がん薬、麻薬、高カロリー輸液、そして小児と高齢者、水分管理が重要な患者になる。
選択肢ごとの確認
感染の防止は目的ではない。感染の防止は、清潔操作、接続部の消毒、ルートの管理、そして不要になったら速やかに抜去することにより行う。むしろ、機器を使うことで接続部が増え、操作の機会も増えるため、感染への配慮はより必要になる。
薬液の温度管理も目的ではない。輸液ポンプに加温の機能はない。加温が必要な場合(大量輸血、急速輸液)は、専用の加温装置を用いる。
薬物の効果判定も目的ではない。効果は、患者の状態(血圧、脈拍、血糖、尿量、症状)を観察して判定する。
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混同しやすいポイント
誤肢は、いずれも「輸液に関わるが、この機器の機能ではない」ものになる。機器を扱うときは、①何ができるか、②何ができないか、③どんな危険があるか、の3点を押さえる。輸液ポンプは、速度を保つことはできるが、血管外への漏出を検知することはできない(漏れていても送り続ける)。この「できないこと」を知らないと、腫脹に気づくのが遅れる。
理解を深める
輸液ポンプの安全な使用を整理する。設定=①1時間あたりの流量(mL/時)と②予定量(mL)を入力する。2人で確認する。使用時の注意=①開始時と定期的に、実際の残量と経過時間を照合する(機器を過信しない)、②専用の輸液セットを用いる(機器ごとに指定がある。異なるセットを用いると流量が正しくならない)、③ドアを開ける際は必ずクレンメを閉じる(開いたまま開けると自由落下により急速に注入される)、④警報が鳴ったら、原因を確かめてから解除する。消すだけの操作をしない、⑤刺入部を定期的に目で見て触れて確認する(ポンプは漏れていても送り続ける)、⑥電源とバッテリーの確認(移動時、停電時)、⑦ルートの取り回し(引っ張られない、屈曲しない)。警報の種類=閉塞、気泡、輸液終了、ドア開放、バッテリー低下、流量異常。閉塞警報が鳴ったとき=①ルートの屈曲とクレンメを確認する、②刺入部の状態を確認する、③閉塞が解除されると、たまっていた圧により薬液が急速に注入されることがあるため(ボーラス投与)、使用機器の添付文書に従い、閉塞原因を取り除く前に輸液ラインのできるだけ患者側(下流)をクランプし、ライン内圧を開放してから解除する。シリンジポンプ=少量を精密に投与する。①開始直後の流量が安定しない現象、②サイフォニング現象(患者より高い位置にあると急速に流入する)、③シリンジの押し子が確実に固定されているかの確認、が要点になる。輸液ポンプを用いない場合の滴下数の計算=1分間の滴下数=(総量mL×1mLあたりの滴数)÷所要時間(分)。一般用の輸液セットは1mLが20滴、小児用は1mLが60滴になる。
間違えやすい考え方
機器の目的を問う型で、誤肢が輸液に関わるが機能でないものである。何をする装置かで切る。
5分で振り返る
①輸液ポンプは、設定した速度で一定量の輸液を送る機器。自然滴下では、体位、血管の状態、輸液バッグの高さ、ルートの屈曲で速度が変わる。②目的は注入速度の調整。感染の防止、温度管理、効果判定はできない。③用いる場面=昇圧薬、抗不整脈薬、インスリン、抗がん薬、麻薬、高カロリー輸液、小児と高齢者。④ポンプは血管外へ漏れていても送り続ける。刺入部を目で見て触れて確認する。⑤設定は流量(mL/時)と予定量(mL)の2つ。2人で確認する。⑥ドアを開ける際は必ずクレンメを閉じる(自由落下による急速注入を防ぐ)。⑦閉塞警報の解除では、たまった圧による急速注入を避けるため、いったんクレンメを閉じる。⑧滴下数=(総量mL×1mLあたりの滴数)÷時間(分)。一般用20滴、小児用60滴。
1分チェック
- 輸液ポンプの目的は。→ 注入速度の調整(漏れは検知できない)。
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