経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法で正しいのはどれ か。
公式正答:4
解説
経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法で正しいものを問う。胃管からの吸引物が胃内容物であることを確認することである。
この問題で問われていること
誤った位置に入っていた場合の危険を踏まえて確認法を選べるか。
しくみから理解する
経鼻胃管が誤って気管へ入っていると、そこへ栄養剤や薬剤を注入すれば、直ちに重篤な肺炎と窒息を招く。したがって、注入の前には必ず位置を確認する。確認の方法として、①胃管から吸引した内容物の性状とpHを確認する(胃液は酸性で、pH5.5以下が目安になる)、②エックス線撮影で先端の位置を確認する(最も確実で、初回の挿入時には必須とされる)、の2つが推奨される。選択肢の中では、吸引物が胃内容物であることの確認が該当する。
選択肢ごとの確認
腹部を打診することでは位置を確認できない。打診では、胃管の先端がどこにあるかを判定できない。
肺音の聴取を行うことも、位置の確認にならない。かつては、空気を注入して心窩部で気泡音を聴取する方法が広く行われていたが、①気管や食道に入っていても同様の音が聴こえること、②肺に入っている場合を見分けられないこと、が示され、単独の確認法としては推奨されなくなった。「肺音の聴取」はさらに位置の判定には結びつかない。
胃管に水を注入することは、確認法ではないうえに危険になる。気管に入っていた場合、水を肺へ注入することになり、重篤な結果を招く。確認の前に何かを注入してはならない。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①判定できない方法、②信頼性が否定された方法、③危険な方法になる。原則は「注入する前に確認する」「確認できない方法に頼らない」「疑わしければ注入しない」になる。加えて、確認は初回の挿入時だけでなく、注入のたびに行う。体位の変換、咳嗽、嘔吐、そして体動により、留置後に位置がずれることがあるためになる。
理解を深める
経鼻胃管と経管栄養を整理する。挿入=①目的と方法を説明する、②座位または半座位(30〜45度以上)、③挿入する長さを測る(鼻尖から耳朶、そして剣状突起までの長さが目安)、④カテーテルに潤滑剤を塗る、⑤鼻腔から挿入し、咽頭に達したら顎を引いてもらい(頸部を前屈させると食道へ入りやすい)、嚥下に合わせて進める、⑥咳嗽、嗄声、呼吸困難、そしてチアノーゼが現れたら直ちに抜去する、⑦挿入した長さを記録し、体外の目盛りを確認できるようにする、⑧固定(鼻翼を圧迫しないよう、テープの貼り方を工夫する。同じ場所に貼り続けない)。位置の確認=①エックス線撮影(最も確実。初回は必須)、②吸引物のpH(5.5以下)と性状、③体外に出ている長さの確認(毎回)、④気泡音の聴取は、単独では推奨されない。注入=①注入前に位置を確認する、②体位(30〜45度以上の半座位。注入中と注入後30分〜1時間は保つ。逆流と誤嚥の防止)、③温度(常温でよい。冷たいと下痢を招くことがある)、④速度(200mLを1時間程度が目安。速いと下痢、腹部膨満、そして血糖の急な上昇を招く)、⑤注入前後の白湯によるフラッシュ(閉塞の防止)、⑥薬剤は簡易懸濁法などで、詰まらないよう工夫する、⑦観察(腹部の膨満、悪心、下痢、便秘、血糖、体重、水分出納)。合併症=誤嚥性肺炎、下痢、便秘、逆流、鼻腔と咽頭のびらん、閉塞、自己抜去、そして代謝性の問題(脱水、高血糖、電解質異常)。長期に要する場合は、胃瘻の造設を検討する。
間違えやすい考え方
確認法を問う型で、誤肢が判定できない方法・信頼性が否定された方法・危険な方法である。注入前の確認という原則で切る。
5分で振り返る
①胃管が気管に入っていると、注入により重篤な肺炎と窒息を招く。注入の前に必ず位置を確認する。②推奨される確認法=エックス線撮影(最も確実。初回は必須)と、吸引物の性状とpHの確認(胃液は酸性でpH5.5以下)。③気泡音の聴取は、気管や食道に入っていても同様に聴こえるため、単独の確認法としては推奨されない。④水の注入は、気管に入っていた場合に肺へ注入することになり危険。確認の前に何も注入しない。⑤確認は注入のたびに行う。体位変換、咳嗽、嘔吐、体動でずれることがある。⑥体外に出ている長さを毎回確認する。⑦注入時の体位は30〜45度以上の半座位。注入中と注入後30分〜1時間保つ。⑧速度は200mLを1時間程度が目安。
1分チェック
- 経鼻胃管の位置確認は。→ 吸引物が胃内容物であることの確認(とエックス線)。
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