集団指導が望ましいのはどれか。
公式正答:2
解説
集団指導が望ましいものを問う。1型糖尿病の学童を対象とした療養指導である。
この問題で問われていること
個別指導と集団指導の使い分けを判断できるか。
しくみから理解する
集団指導は、①共通する課題を持つ人が複数いる、②内容が標準化できる、③参加者どうしの交流に意味がある、④効率よく多くの人に伝えられる、という条件がそろう場面で有効になる。1型糖尿病の学童では、インスリンの自己注射、血糖の自己測定、シックデイの対応、学校生活での工夫、そして低血糖への対処といった共通の課題がある。加えて、同じ疾患を持つ仲間と出会うことで、孤立感が和らぎ、互いに学び合える。糖尿病のサマーキャンプは、この考え方にもとづく取り組みになる。
選択肢ごとの確認
胃全摘出術後の退院指導は、個別に行う方が適する。食事の量と回数、ダンピング症候群への対応、そして体重の管理は、その人の生活、家族の状況、そして術後の経過によって異なる。加えて、術後の身体の状態も一人ひとり違う。
間欠的自己導尿の指導は、明らかに個別に行うべき内容になる。手技の習得には、その人の身体、手指の巧緻性、視力、そして生活の場に応じた個別の指導が必要で、また羞恥心への配慮も欠かせない。
ヒト免疫不全ウイルス感染者への生活指導も、個別に行う。感染の事実は極めて機微な個人情報であり、通常の集団指導の場では扱えない(守秘を前提とした任意参加のピアサポートや患者会は別で、そこでは機微な内容も扱われる)。加えて、感染の経路、パートナーとの関係、服薬、そして社会生活の課題は、一人ひとり大きく異なる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①個別性が高い、②手技の習得が必要、③機微な情報を扱う、という3つの理由で個別指導が適する。集団指導が適するのは、共通の課題があり、内容が標準化でき、かつ交流に意味がある場面になる。羞恥心と守秘に関わる内容は、通常の集団指導の場では扱えない。ただし、守秘を前提とした任意参加のピアサポートや患者会は、機微な内容を扱う場として確立している。集団という形そのものが不適なのではなく、参加が任意か、守秘の枠組みがあるかで分かれる。
理解を深める
患者教育の方法を整理する。個別指導=その人の状態、理解、生活、価値観に合わせられる。手技の習得、機微な内容、そして個別性の高い課題に適する。時間がかかるが、深く関われる。集団指導=効率がよく、参加者どうしの学び合いと支え合いが生まれる。共通の課題、標準化できる内容、そして仲間づくりに意味がある場面に適する。糖尿病教室、母親学級、禁煙教室、そして心臓リハビリテーションの教室など。両者を組み合わせることも多い(集団で基本を学び、個別で自分の場合に落とし込む)。教育の設計=①対象の把握(何を知っていて、何ができて、何に困っているか)、②目標の設定(本人と一緒に、具体的で達成可能なものを)、③方法の選択(説明、実演、練習、資料、動画、そして体験)、④実施、⑤評価(理解できたか、できるようになったか、実行できているか、そして結果はどうか)。成人の学習の特徴=①経験を土台にする、②自分で決めたことを学ぶ、③すぐに使えることを求める、④問題の解決を志向する。したがって、一方的な説明ではなく、本人の経験と結びつけ、本人が決められる形にすることが有効になる。小児では、発達段階に応じて、遊びと具体物を用いた方法が効果的になる。
間違えやすい考え方
方法の選択を問う型で、誤肢が個別性・手技・機微な情報を理由に個別指導が適する。3つの条件で切る。
5分で振り返る
①集団指導が有効な条件=共通する課題を持つ人が複数いる、内容が標準化できる、参加者どうしの交流に意味がある、効率よく伝えられる。②1型糖尿病の学童では、自己注射、血糖測定、シックデイ、学校生活の工夫という共通の課題があり、仲間と出会う意味も大きい(サマーキャンプ)。③個別指導が適するのは、個別性が高い、手技の習得が必要、機微な情報を扱う場面。④胃全摘後の食事、間欠的自己導尿、ヒト免疫不全ウイルス感染者の生活指導は個別に行う。⑤両者を組み合わせることも多い。⑥教育の設計=対象の把握→目標→方法→実施→評価。⑦成人の学習は、経験を土台に、自分で決め、すぐ使えることを求める。
1分チェック
- 集団指導が望ましいのは。→ 共通の課題があり、交流に意味がある場面(1型糖尿病の学童)。
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