日本の周産期の死亡に関する記述で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
日本の周産期の死亡に関する記述で正しいものを問う。死産は妊娠満12週以後の死児の出産をいう、である。
この問題で問われていること
統計上の定義を、週数と期間で正確に覚えているか。
しくみから理解する
死産は、死産の届出に関する規程により、「妊娠満12週以後の死児の出産」と定義される。死産には、自然死産と人工死産(人工妊娠中絶を含む)がある。死産の届出は、妊娠満12週以後の死児を出産したときに、7日以内に行う必要がある。なお、人工妊娠中絶が可能なのは妊娠満22週未満であり、死産の届出の対象となる週数(満12週以後)と、中絶が可能な週数(満22週未満)は異なる点に注意する。
選択肢ごとの確認
新生児死亡は、生後1週未満ではなく、生後4週(28日)未満の死亡になる。生後1週(7日)未満の死亡は、早期新生児死亡という。
妊産婦死亡は、妊娠中または妊娠終了後満28日未満ではなく、満42日未満の女性の死亡になる(妊娠または妊娠の管理に関連した原因によるもので、不慮または偶発の原因によるものを除く)。
令和元年(2019年)の人口動態統計では、自然死産数より人工死産数の方が多い。近年は、人工死産が自然死産をやや上回る状況が続いている。
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混同しやすいポイント
週数と期間の数値を、正確に覚える。死産=妊娠満12週以後。周産期死亡=妊娠満22週以後の死産+早期新生児死亡(生後1週未満)。早期新生児死亡=生後1週(7日)未満。新生児死亡=生後4週(28日)未満。乳児死亡=生後1年未満。妊産婦死亡=妊娠中または妊娠終了後満42日未満。人工妊娠中絶が可能なのは妊娠満22週未満。誤肢は、いずれもこの数値をずらして作られている。
理解を深める
母子保健の統計を整理する。周産期死亡率=(妊娠満22週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷(出産数=出生数+妊娠満22週以後の死産数)×1,000。日本は世界で最も低い水準にある。乳児死亡率=乳児死亡数÷出生数×1,000。日本は約1.8で、世界で最も低い水準になる。母子保健の水準を示す代表的な指標として、国際比較に用いられる。新生児死亡率=新生児死亡数÷出生数×1,000。妊産婦死亡率=妊産婦死亡数÷出産数×10万。日本は約3〜4で、こちらも低い水準になる。死因=乳児死亡では、先天奇形・変形および染色体異常が第1位、次いで周産期に特異的な呼吸障害等、不慮の事故、そして乳幼児突然死症候群。妊産婦死亡では、産科危機的出血、脳出血、そして羊水塞栓症などが上位になる。死産=自然死産と人工死産に分けられ、近年は人工死産がやや多い。死産率は出産千対で表す。指標の分母に注意=乳児死亡率と新生児死亡率の分母は出生数。周産期死亡率の分母は出生数+妊娠満22週以後の死産数。妊産婦死亡率の分母は出産数で、これは出生数+死産数(妊娠満12週以後)になる。妊娠満22週以後という制限は周産期死亡率に固有のもので、妊産婦死亡率には当てはまらない。看護の実務では、これらの統計が、母子保健の水準を測る物差しになる。日本の水準は世界で最も高い部類にあるが、その背景には、妊婦健康診査、周産期医療のネットワーク、そして新生児医療の充実がある。一方で、産後うつ病と自殺、そして児童虐待といった課題も明らかになっており、母子保健の対象は、身体の健康から心理社会的な支援へと広がっている。
間違えやすい考え方
定義を問う型で、誤肢が週数と期間をずらして作られている。数値を正確に覚えて切る。
5分で振り返る
①死産=妊娠満12週以後の死児の出産。自然死産と人工死産がある。届出は7日以内。②新生児死亡=生後4週(28日)未満。早期新生児死亡=生後1週(7日)未満。③乳児死亡=生後1年未満。④妊産婦死亡=妊娠中または妊娠終了後満42日未満の死亡(妊娠に関連した原因による)。⑤周産期死亡=妊娠満22週以後の死産+早期新生児死亡。⑥人工妊娠中絶が可能なのは妊娠満22週未満。⑦近年は人工死産が自然死産をやや上回る。乳児死亡率と新生児死亡率の分母は出生数、周産期死亡率と妊産婦死亡率の分母は出産数になる。
1分チェック
- 死産とは。→ 妊娠満12週以後の死児の出産。
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