オートクレーブによる滅菌法はどれか。
公式正答:2
解説
オートクレーブによる滅菌法を問う。高圧蒸気滅菌である。
この問題で問われていること
滅菌法の名称と原理を対応づけられるか。
しくみから理解する
オートクレーブは、高圧蒸気滅菌を行う装置になる。密閉した容器内で飽和水蒸気の圧力を高め、滅菌物、包装、装置ごとに妥当性確認された温度・時間・乾燥条件で処理する。132℃4分や121℃20分は代表例であり、すべての積載物に共通する固定条件ではない。高温の水蒸気が微生物の蛋白質を変性させることで滅菌が成立する。確実性が高く、費用も安く、残留する毒性もないため、耐熱性・耐湿性のある器材(金属製の鋼製小物、ガラス製品、リネン類、ゴム製品の一部)に対する第一選択になる。一方、熱や湿気に弱い器材(内視鏡の一部、プラスチック製品、光学機器)には使えない。
選択肢ごとの確認
酸化エチレンガス滅菌は、低温(50〜60℃程度)で行えるため、熱に弱い器材に用いる。ただし、ガスに発癌性と刺激性があり、滅菌後に残留ガスを除去する工程(エアレーション)に長い時間を要する。装置と排気の管理も厳格になる。
放射線滅菌は、ガンマ線や電子線を用いる方法で、包装された状態のまま処理でき、大量の製品を一度に滅菌できる。医療材料の工業的な滅菌に用いられ、病院内では通常行わない。
乾熱滅菌は、乾燥した高温の空気で処理する方法になる。160〜180℃で1〜2時間を要し、高圧蒸気滅菌より高温・長時間が必要になる。ガラス器具、金属、油脂、粉末など、水蒸気が浸透しにくいものに用いる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「オートクレーブ=高圧蒸気滅菌」という装置と方法の対応を知っていれば直ちに選べる。誤肢はいずれも実在する滅菌法であり、それぞれ適する対象が異なる。滅菌法を覚えるときは、温度(高温か低温か)と対象(熱に強いか弱いか)で整理すると、実務での選択にもつながる。
理解を深める
滅菌と消毒の区別を押さえる。滅菌=すべての微生物を除去または死滅させること(芽胞を含む)。消毒=病原性のある微生物を、害のない程度まで減らすこと。洗浄=汚れを物理的に取り除くこと。器材の処理は、洗浄→消毒または滅菌の順に行う。汚れが残っていると、滅菌も消毒も効果が下がるため、洗浄が最初になる。器材の分類(スポルディングの分類)は、使用部位のリスクによる。クリティカル=無菌の組織や血管に入るもの(手術器械、注射針、カテーテル)。滅菌が必要。セミクリティカル=粘膜または損傷した皮膚に触れるもの(内視鏡、喉頭鏡、呼吸器回路)。高水準消毒または滅菌。ノンクリティカル=健常な皮膚に触れるもの(血圧計のマンシェット、聴診器、ベッド柵)。低水準消毒または洗浄。消毒薬は、水準で分けられる。高水準=グルタラール、過酢酸、フタラール。中水準=次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、消毒用エタノール。低水準=第四級アンモニウム塩、クロルヘキシジン。ノロウイルスとクロストリディオイデス・ディフィシルの芽胞にはアルコールが効きにくく、次亜塩素酸ナトリウムを用いる点も実務で重要になる。
間違えやすい考え方
名称と原理を対応づける型で、誤肢がすべて実在する滅菌法である。装置名と方法の対応で切る。
5分で振り返る
①オートクレーブ=高圧蒸気滅菌。温度・時間は滅菌物、包装、装置ごとに妥当性確認されたサイクルを用いる(121℃20分、132℃4分などは代表例)。②耐熱性・耐湿性のある器材に対する第一選択(確実・安価・残留毒性なし)。③酸化エチレンガス滅菌は低温で行えるが、残留ガスの除去(エアレーション)に時間がかかる。④放射線滅菌は工業的な滅菌に用いる。⑤乾熱滅菌は160〜180℃で1〜2時間。水蒸気が浸透しにくいものに用いる。⑥処理は洗浄→消毒または滅菌の順。汚れが残ると効果が下がる。⑦スポルディングの分類=クリティカル(滅菌)、セミクリティカル(高水準消毒)、ノンクリティカル(低水準消毒)。
1分チェック
- オートクレーブが行うのは。→ 高圧蒸気滅菌。温度・時間は滅菌物、包装、装置ごとの妥当性確認済みサイクルに従う。
この問題に対応する教材の確認中です。