午前 問1段階1 暗記
令和2年(2020 年)の人口動態統計における妻の平均初婚年齢はどれか。
解説
令和2年(2020年)の人口動態統計における妻の平均初婚年齢を問う。29.4歳である。
この問題で問われていること
婚姻・出生に関する代表的な指標の水準を覚えているか。
しくみから理解する
平均初婚年齢は、その年に初めて結婚した人の年齢の平均になる。令和2年では、夫が31.0歳、妻が29.4歳であった。昭和50年(1975年)には夫27.0歳、妻24.7歳であり、そこから半世紀近くかけて男女とも約4〜5歳上がっている。この晩婚化は、第1子出生時の母の平均年齢の上昇(令和2年で30.7歳)と連動し、出生数の減少の背景の一つになる。看護では、高年初産の増加に伴う妊娠合併症のリスク、不妊治療を受ける人の増加、そして育児と介護が重なる世代の負担といった形で、この数値が実務に結びつく。
選択肢ごとの確認
選択肢 119.4歳は、いずれの年代の平均初婚年齢にも当てはまらない。10代での結婚は例外的で、平均を押し下げるほどの数ではない。
選択肢 224.4歳は、昭和50年(1975年)頃の妻の平均初婚年齢(24.7歳)に近い水準になる。半世紀前の値であり、現在の値ではない。
選択肢 434.4歳は、平均初婚年齢としては高すぎる。第1子出生時の母の平均年齢(30.7歳)よりも高く、実際の分布と合わない。
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混同しやすいポイント
数値を問う設問では、選択肢が5歳刻みで並べられることが多い。中心となる値を一つ覚えておけば、前後を除外できる。「夫31歳・妻29歳、その差はおよそ1.5歳」と、丸めた形で持っておくと、年による小さな変動にも対応できる。昭和50年頃の値(夫27歳・妻25歳)と対にして覚えると、上昇の幅も同時に押さえられる。
理解を深める
人口動態統計は、出生、死亡、婚姻、離婚、死産の5つの事象を扱う。届出をもとに毎年集計され、日本の人口の動きを把握する基礎になる。婚姻に関する主な指標は、婚姻件数、婚姻率(人口千対)、平均初婚年齢、そして再婚の割合になる。近年の傾向としては、婚姻件数の減少、晩婚化、そして生涯未婚率(50歳時未婚割合)の上昇がある。出生に関する指標では、出生数、合計特殊出生率、そして第1子出生時の母の平均年齢が重要になる。合計特殊出生率は、その年の15〜49歳の女性の年齢別出生率を合計したものである。その年の出生の状況がそのまま続くと仮定した場合に1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる期間指標であって、実在する世代の女性が実際に産んだ数(コホートの完結出生児数)ではない。人口を維持するために必要な水準(人口置換水準)は約2.07だが、日本は1970年代半ばからこれを下回り続けている。これらの指標は年によって変わるため、受験の年ごとに最新の値を確認する必要がある。看護の実務では、数値そのものより、その背景にある社会の変化と、それが健康と生活にもたらす影響を理解することが重要になる。
間違えやすい考え方
数値を問う型で、選択肢が5歳刻みに並ぶ。中心の値を一つ持てば前後を除外できる。
5分で振り返る
①令和2年の平均初婚年齢=夫31.0歳、妻29.4歳。②昭和50年は夫27.0歳、妻24.7歳。半世紀で約4〜5歳上がった。③第1子出生時の母の平均年齢は令和2年で30.7歳。④人口動態統計は出生・死亡・婚姻・離婚・死産の5事象を扱う。⑤合計特殊出生率=15〜49歳の年齢別出生率の合計。⑥人口置換水準は約2.07で、日本は1970年代半ばから下回り続けている。⑦統計の数値は年で動くため、受験の年ごとに最新値を確認する。
1分チェック
- 令和2年の妻の平均初婚年齢は。→ 29.4歳(夫は31.0歳)。
この問題だけを開く午前 問2段階1 暗記
令和元年(2019 年)の国民生活基礎調査における女性の有訴者の自覚症状で最も 多いのはどれか。
解説
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における、女性の有訴者の自覚症状で最も多いものを問う。肩こりである。
この問題で問われていること
有訴者率の上位の症状を、性別ごとに覚えているか。
しくみから理解する
有訴者とは、世帯員(入院者を除く)のうち、病気やけがなどで自覚症状のある人を指す。人口千人あたりの人数を有訴者率という。令和元年の調査では、女性の1位が肩こり、2位が腰痛、3位が手足の関節が痛むであった。男性では1位が腰痛、2位が肩こり、3位が鼻がつまる・鼻汁が出るになる。男女で1位と2位が入れ替わる点が、この設問の要点になる。肩こりが女性で多い背景には、筋肉量の差、姿勢、家事や育児に伴う上肢の使用、そして更年期以降の変化などが挙げられる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1頭痛は、有訴者の自覚症状として挙がるが、上位3位には入らない。女性では肩こり、腰痛、手足の関節の痛みが上位になる。
選択肢 3体がだるいも、有訴者の症状として報告されるが、上位ではない。加齢や疾患に伴って増えるが、肩こりや腰痛ほどの頻度ではない。
選択肢 4目のかすみも同様に、上位には入らない。加齢に伴って増える症状だが、全年齢を通じた順位では肩こりと腰痛が上回る。
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混同しやすいポイント
「男性は腰痛、女性は肩こり」と、性別で1位が入れ替わることを押さえるのが要点になる。どちらも運動器の症状であり、有訴者率の上位を運動器の愁訴が占めることが分かる。これは、通院者率の上位が高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病であることと対照的になる。自覚症状(有訴者)と、実際に医療機関にかかっている疾患(通院者)は別の指標であり、混同しない。
理解を深める
国民生活基礎調査は、保健、医療、福祉、年金、所得といった、国民生活の基礎的な事項を調べる調査になる。大規模調査は3年ごと、簡易調査はその間の年に実施される。この調査から得られる主な指標には、有訴者率、通院者率、日常生活に影響のある者の率、健康状態の自己評価、悩みやストレスの状況、健診の受診状況、介護が必要となった主な原因、そして介護者の状況(同居の主な介護者の続柄、要介護者との年齢の組み合わせ=老老介護)がある。介護が必要となった主な原因は、認知症、脳血管疾患、骨折・転倒、高齢による衰弱が上位を占める(順位は調査年により入れ替わる)。看護の実務では、これらの数値が、地域で何が起きているかを示す手がかりになる。とくに、有訴者率と通院者率の水準、そして介護者の高齢化は、地域看護の課題に直結する。なお、この2つの率はいずれも同じ調査の別々の集計であり、その差から「症状はあるが受診していない人」の規模を導くことはできない。症状があって通院している人も、症状がなくて通院している人も含まれるためで、両者の重なりを知るには重複を確認できる集計が要る。統計の数値は調査年ごとに変わるため、受験の年に対応する最新の値を確認する。
間違えやすい考え方
統計の順位を問う型で、性別で1位が入れ替わる点が要点になる。有訴者と通院者は別の指標として区別する。
5分で振り返る
①有訴者=病気やけがなどで自覚症状のある人(入院者を除く)。人口千対で有訴者率という。②女性の上位=肩こり、腰痛、手足の関節が痛む。③男性の上位=腰痛、肩こり、鼻がつまる・鼻汁が出る。④通院者率の上位は高血圧症、糖尿病、脂質異常症で、有訴者率とは別の指標。⑤国民生活基礎調査は大規模調査が3年ごと、間の年は簡易調査。⑥介護が必要となった主な原因は認知症、脳血管疾患、骨折・転倒、高齢による衰弱が上位。⑦数値は調査年で動くため受験年ごとに確認する。
1分チェック
- 女性の有訴者の自覚症状の1位は。→ 肩こり(男性は腰痛)。
この問題だけを開く午前 問3段階1 暗記
喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を算出するために、喫煙年数のほかに 必要なのはどれか。
解説
喫煙指数(ブリンクマン指数)を算出するために、喫煙年数のほかに必要なものを問う。1日の平均喫煙本数である。
この問題で問われていること
喫煙の量を表す指標の計算方法を知っているか。
しくみから理解する
ブリンクマン指数は、1日の平均喫煙本数に喫煙年数を掛けて求める。たとえば1日20本を30年吸っていれば、20×30=600になる。この数値が大きいほど、喫煙による健康被害のリスクが高まる。400を超えると肺癌のリスクが高くなり、600以上は肺癌の高危険群、1,200以上では喉頭癌のリスクが極めて高くなるとされる。また、手術の前の評価でも用いられ、術後の呼吸器合併症のリスクを見積もる目安になる。単純な計算式だが、喫煙の累積の曝露量を1つの数値で表せる点に意味がある。
選択肢ごとの確認
選択肢 1喫煙開始年齢は、計算式には含まれない。ただし、開始年齢が若いほど累積の曝露が大きくなり、健康への影響も大きいことは知られている。喫煙年数を通じて間接的に反映される。
選択肢 2受動喫煙年数も含まれない。ブリンクマン指数は、本人の能動喫煙の量を表す指標になる。受動喫煙の評価は別に行う。
選択肢 3家庭内の喫煙者数も含まれない。これは受動喫煙の程度に関わる情報であり、本人の喫煙量とは別になる。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも喫煙に関わる情報だが、指数の計算式には入らない。「本数×年数」という掛け算だけを覚えていれば判断できる。似た指標として、パックイヤー(1日の箱数×年数。1箱を20本とする)があり、こちらは欧米で用いられる。ブリンクマン指数400=パックイヤー20に相当する。両方を混同しないよう、単位(本かパックか)で区別する。
理解を深める
喫煙は、日本人の生活習慣に関わる健康被害のうち、最大の要因とされる。関連する疾患は広く、悪性新生物(肺、口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、膵、肝、腎、膀胱、子宮頸部)、虚血性心疾患、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、歯周病、そして妊娠中の喫煙による低出生体重と早産がある。受動喫煙も、肺癌、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群のリスクを高める。対策としては、健康増進法の改正(2020年全面施行)により、多数の人が利用する施設は原則屋内禁煙となった。禁煙支援では、ニコチン依存症管理料の算定要件を満たせば保険診療で治療を受けられる。要件には、ニコチン依存症のスクリーニングテストの点数、ブリンクマン指数(35歳以上では200以上)、直ちに禁煙する意思、そして文書による同意が含まれる。看護では、喫煙の状況を必ず聴取し(本数、年数、開始年齢、禁煙の意思)、禁煙の準備段階に応じた働きかけを行う。手術の前では、少なくとも4週間前からの禁煙が、術後の呼吸器合併症と創傷治癒の面で望ましいとされる。
間違えやすい考え方
計算式を問う型で、誤肢が喫煙に関わるが式に入らない情報である。本数×年数という掛け算で切る。
5分で振り返る
①ブリンクマン指数=1日の平均喫煙本数×喫煙年数。②400超で肺癌のリスクが高まり、600以上は高危険群、1,200以上で喉頭癌のリスクが極めて高い。③パックイヤー=1日の箱数(1箱20本)×年数。ブリンクマン400=パックイヤー20。④喫煙開始年齢・受動喫煙年数・家庭内の喫煙者数は式に含まれない。⑤ニコチン依存症管理料の要件に、35歳以上ではブリンクマン指数200以上が含まれる。⑥健康増進法の改正により、多数の人が利用する施設は原則屋内禁煙(2020年全面施行)。⑦手術の前は少なくとも4週間前からの禁煙が望ましい。
1分チェック
- ブリンクマン指数の求め方は。→ 1日の平均喫煙本数×喫煙年数。
この問題だけを開く午前 問4段階1 暗記
休憩時間を除いた1週間の労働時間で、超えてはならないと労働基準法で定めら れているのはどれか。
解説
休憩時間を除いた1週間の労働時間で、労働基準法が超えてはならないと定めている時間を問う。40時間である。
この問題で問われていること
労働基準法の基本の枠を数値で覚えているか。
しくみから理解する
労働基準法は、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならないと定める(法定労働時間)。休憩時間はこれに含まれない。休憩は、労働時間が6時間を超える場合に少なくとも45分、8時間を超える場合に少なくとも1時間を、労働時間の途中に与えなければならない。法定労働時間を超えて働かせるには、労使協定(三六協定)を結んで労働基準監督署へ届け出る必要があり、時間外労働にも上限(原則として月45時間、年360時間)が設けられている。休日は、毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上与える。
選択肢ごとの確認
選択肢 130時間は法定労働時間ではない。短時間勤務の一形態としてはあり得るが、法が定める上限ではない。
選択肢 235時間も同様に、法が定める上限ではない。
選択肢 445時間は、法定労働時間ではなく、時間外労働の原則の上限(月45時間)と混同しやすい数値になる。1週間の労働時間の上限は40時間である。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
40時間(週)と8時間(日)は対で覚える。誤りやすいのは、時間外労働の上限(月45時間・年360時間)との混同になる。選択肢に45が置かれているのは、この混同を狙ったものと考えられる。単位(1週間か1か月か)を確認する習慣が、この種の設問を確実にする。
理解を深める
労働基準法は、労働条件の最低基準を定める法律になる。看護職に関わる主な規定を挙げる。労働時間=週40時間、1日8時間。休憩=6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上。休日=週1回または4週4日。時間外・休日労働=三六協定と割増賃金(時間外25%以上、深夜25%以上、休日35%以上)。年次有給休暇=6か月継続勤務し8割以上出勤した労働者に10日、以後勤続年数に応じて増え、最大20日。年次有給休暇が10日以上付与される労働者については、年5日を使用者が時季を指定して取得させる義務がある。ただし、労働者自身が請求して取得した日数と、計画的付与により取得した日数は、この5日から差し引かれる。産前産後=産前6週間(多胎は14週間)は本人の請求により、産後8週間は原則として就業させてはならない(産後6週間を経過し本人が請求し医師が支障ないと認めた業務は可)。育児時間=生後満1年に達しない子を育てる女性は、1日2回各30分の育児時間を請求できる。妊産婦=時間外労働、休日労働、深夜業を、本人の請求により免除される。危険有害業務の就業制限もある。夜勤の多い看護職では、これらに加えて、労働安全衛生法にもとづく健康診断、そして看護職員の夜勤に関する指針(勤務間隔11時間以上の確保、夜勤の連続回数の制限など)も実務に関わる。
間違えやすい考え方
法定の数値を問う型で、誤肢に時間外労働の上限(45)が混ぜられている。単位(週か月か)で切る。
5分で振り返る
①法定労働時間=1週40時間、1日8時間(休憩時間を除く)。②休憩=6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上を労働時間の途中に。③休日=週1回または4週4日。④法定労働時間を超えるには三六協定と届出が要る。時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間。⑤年次有給休暇=6か月継続勤務・8割以上出勤で10日、最大20日。年10日以上付与される労働者については、年5日を使用者が時季を指定して取得させる義務がある(本人が取得した日数と計画的付与の日数は差し引く)。⑥産前6週間(多胎14週間)は請求により、産後8週間は原則就業させてはならない。⑦妊産婦は時間外・休日・深夜業を請求により免除される。
1分チェック
- 労働基準法の1週間の労働時間の上限は。→ 40時間(1日は8時間)。
この問題だけを開く午前 問5段階1 暗記
介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数はどれか。
解説
介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数を問う。7である。
この問題で問われていること
介護保険の給付の入り口となる区分の構成を知っているか。
しくみから理解する
要介護認定の区分は、要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5の7段階になる。要支援は予防給付、要介護は介護給付の対象となり、利用できるサービスと支給限度基準額が区分ごとに定められる。区分は、心身の状態そのものではなく、介護に要する時間(要介護認定等基準時間)をもとに判定される。判定は二段階で、まず認定調査の結果と主治医意見書の一部をコンピュータで処理する一次判定を行い、次に介護認定審査会が主治医意見書と特記事項を加えて二次判定を行う。申請から認定までは原則30日以内とされる。
選択肢ごとの確認
選択肢 14は区分の数と合わない。要介護のみを4段階と数えても、要支援と要介護5を欠くことになる。
選択肢 25は要介護1〜5の数になる。要支援1・2を含めていない。
選択肢 36は、要支援を1つと数えた場合の数になる。要支援は1と2の2段階に分かれる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「要支援2+要介護5=7」と分解して覚えるのが確実になる。誤肢は、要支援を数え落とした場合(5)、要支援を1段階と数えた場合(6)に対応しており、部分的な記憶では引っかかる。要支援2と要介護1は、要介護認定等基準時間が同じ範囲にあり、状態の維持・改善の可能性が見込めるかどうかで分かれる点も、あわせて押さえる。
理解を深める
介護保険制度の骨格を整理する。保険者=市町村および特別区。被保険者=第1号(65歳以上)と第2号(40〜64歳の医療保険加入者)。第2号は、加齢に伴う16の特定疾病(末期の悪性腫瘍、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、脳血管疾患、初老期における認知症など)が原因の場合に限り給付を受けられる。財源=公費50%と保険料50%。公費の内訳は給付の種類で異なり、居宅給付費では国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%、施設等給付費では国20%・都道府県17.5%・市町村12.5%になる。利用者負担=原則1割、一定以上の所得がある人は2割または3割。手続き=申請→認定調査と主治医意見書→一次判定→介護認定審査会による二次判定→認定(原則30日以内)→ケアプランの作成→サービスの利用。認定の有効期間は、新規は原則6か月、更新は原則12か月(状態に応じて延長できる)。ケアプランは、要支援では地域包括支援センター、要介護では居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成し、本人が自ら作成することもできる。看護職は、訪問看護、通所リハビリテーション、施設サービス、そして地域包括支援センターの職員として、この制度の中で働く。認定の区分によって使えるサービスと限度額が変わるため、区分変更の申請ができることも、利用者への説明に含まれる。
間違えやすい考え方
区分の数を問う型で、誤肢が数え落としに対応している。要支援2+要介護5=7と分解して覚える。
5分で振り返る
①区分は7段階=要支援1・2、要介護1〜5。②要支援は予防給付、要介護は介護給付の対象。③判定は介護に要する時間(要介護認定等基準時間)をもとに行う。④一次判定(コンピュータ)→二次判定(介護認定審査会)の二段階。申請から原則30日以内。⑤保険者は市町村と特別区。第1号は65歳以上、第2号は40〜64歳で16の特定疾病が原因の場合に限る。⑥財源は公費50%と保険料50%。利用者負担は原則1割(所得により2割・3割)。⑦ケアプランは要支援が地域包括支援センター、要介護が居宅介護支援事業所。
1分チェック
- 要支援・要介護の区分はいくつか。→ 7段階(要支援1・2と要介護1〜5)。
この問題だけを開く午前 問6段階1 暗記
緩和ケアの目標で正しいのはどれか。
解説
緩和ケアの目標として正しいものを問う。生活の質(QOL)の向上である。
この問題で問われていること
緩和ケアの定義を、目的の面から説明できるか。
しくみから理解する
世界保健機関の定義では、緩和ケアは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族に対して、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し、的確に評価し対応することを通じて、苦痛を予防し和らげ、生活の質を改善する取り組みとされる。すなわち目標は、生活の質の向上になる。治癒を目指す治療と対立するものではなく、診断されたときから並行して行われる。死を早めることも遅らせることも意図しない、という点も定義に含まれる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1疾病の治癒は、緩和ケアの目標ではない。治癒を目指す治療と並行して行われることはあるが、緩和ケアそのものは苦痛の緩和と生活の質の改善を目的とする。
選択肢 2余命の延長も目標ではない。定義では、死を早めることも遅らせることも意図しないとされる。ただし、症状が適切に緩和されることで、結果として生活の質だけでなく生存期間にも良い影響が及ぶことが示された研究もある。
選択肢 4在院日数の短縮は、医療の提供体制に関わる指標であり、緩和ケアの目標ではない。患者の生活の質を犠牲にして在院日数を短くすることは、本来の趣旨に反する。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「緩和ケア=終末期のケア」という理解が、最も多い誤解になる。現在の定義では、緩和ケアは診断されたときから、治療と並行して提供される。がんに限らず、心不全、慢性閉塞性肺疾患、腎不全、神経難病、認知症など、生命を脅かす疾患すべてが対象になる。この設問の誤肢は、治癒、延命、効率という、いずれも別の目的を示しており、生活の質という視点が緩和ケアの中核であることを浮かび上がらせる。
理解を深める
緩和ケアの実際は、多面的な苦痛(全人的苦痛)に対応することになる。身体的苦痛=痛み、呼吸困難、悪心・嘔吐、倦怠感、食欲不振、便秘、浮腫。精神的苦痛=不安、抑うつ、恐れ、いらだち、孤独感。社会的苦痛=仕事、経済、家族の役割、人間関係。スピリチュアルな苦痛=生きる意味への問い、自責、死への恐れ。これらは互いに影響し合うため、身体症状の緩和だけでは十分でない。がん疼痛の管理では、世界保健機関の方式にもとづき、経口で、時間を決めて、患者ごとに、そして細かい配慮をもって投与する。オピオイドの導入時には、便秘(ほぼ必発で予防的に緩下薬を用いる)、悪心・嘔吐(数日で耐性ができる)、眠気(同様)への対応をあらかじめ計画する。呼吸困難には、オピオイド、酸素、そして環境の調整(送風、体位、換気)が用いられる。制度としては、緩和ケア病棟入院料、緩和ケア診療加算、外来緩和ケア管理料があり、緩和ケアチームは医師、看護師、薬剤師、心理職などで構成される。がん対策基本法とがん対策推進基本計画では、緩和ケアを診断のときから提供することが明記されている。
間違えやすい考え方
定義の目的を問う型で、誤肢が治癒・延命・効率という別の目的である。生活の質という中核で切る。
5分で振り返る
①緩和ケアの目標は生活の質の向上。②世界保健機関の定義=生命を脅かす病に直面する患者と家族に対し、苦痛を早期に見出し評価し対応して、苦痛を予防し和らげる。③死を早めることも遅らせることも意図しない。④終末期に限らず、診断されたときから治療と並行して行う。⑤がんに限らず、心不全、慢性閉塞性肺疾患、腎不全、神経難病、認知症も対象。⑥全人的苦痛=身体的・精神的・社会的・スピリチュアル。⑦オピオイドの導入時は便秘(予防的に緩下薬)、悪心・嘔吐、眠気への対応をあらかじめ計画する。
1分チェック
- 緩和ケアの目標は。→ 生活の質(QOL)の向上(治癒でも延命でもない)。
この問題だけを開く午前 問7段階1 暗記
運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。
解説
運動機能の発達で3歳以降に獲得するものを問う。けんけん(片足跳び)をすることである。
この問題で問われていること
粗大運動の発達の順序を、年齢とともに覚えているか。
しくみから理解する
粗大運動の発達には、おおよその目安がある。首がすわる=3〜4か月。寝返り=5〜6か月。ひとりすわり=7〜8か月。つかまり立ち=9〜10か月。ひとり歩き=1歳〜1歳3か月。階段を昇る(片足ずつ、手すりや支えを使う)=1歳6か月頃。ボールを蹴る=2歳頃。三輪車をこぐ=3歳頃。片足で数秒立つ=3〜4歳。けんけん(片足跳び)=4歳頃。スキップ=5歳頃。したがって、選択肢のうち3歳以降に獲得するのは、けんけんになる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1階段を昇るのは1歳6か月頃になる。乳幼児健康診査の1歳6か月児健診では、ひとり歩きの安定とあわせて確認される項目の一つになる。
選択肢 2ひとりで立つのは1歳前後になる。つかまり立ちが9〜10か月、ひとり立ちが1歳前後、ひとり歩きが1歳〜1歳3か月という順序をとる。
選択肢 3ボールを蹴るのは2歳頃になる。歩行が安定し、片足に体重を移せるようになると可能になる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
発達の指標は、健康診査の時期(1歳6か月児健診、3歳児健診)と結びつけて覚えると整理しやすい。1歳6か月=ひとり歩き、意味のある単語、階段を昇る。3歳=三輪車、片足立ち、丸を描く、自分の名前を言う。けんけんとスキップは、それより後の4〜5歳になる。個人差があるため、目安から少し外れることは珍しくないが、明らかな遅れは精密検査の対象になる。
理解を深める
発達の評価には、粗大運動、微細運動、言語、社会性の4つの領域を用いる。微細運動=手を口へ持っていく(3か月)、物をつかむ(4〜5か月)、持ち替える(6〜7か月)、親指と人差し指でつまむ(9〜10か月)、なぐり描き(1歳半)、積み木を数個積む(2歳)、丸を描く(3歳)、四角を描く(4〜5歳)、はさみを使う(3〜4歳)。言語=喃語(4〜6か月)、意味のある単語(1歳)、二語文(2歳)、自分の名前を言う(3歳)。社会性=人見知り(6〜8か月)、模倣(1歳)、平行遊び(2〜3歳)、順番を待つ(4〜5歳)。これらの目安は、日本の乳幼児身体発育調査と、デンバー式発達スクリーニング検査などにもとづく。看護では、単に「できるかどうか」だけでなく、家庭での様子、保護者の心配、そして成育環境をあわせて評価する。発達には順序性があり、頭部から尾部へ、中枢から末梢へ、粗大から微細へと進む。この原則を知っていれば、個々の指標を丸暗記しなくても、順序の妥当性を判断できる。
間違えやすい考え方
発達の年齢を問う型で、誤肢がすべて1〜2歳台の指標である。健康診査の時期と結びつけて覚える。
5分で振り返る
①階段を昇る=1歳6か月頃。②ひとりで立つ=1歳前後。③ボールを蹴る=2歳頃。④三輪車をこぐ=3歳頃。片足で数秒立つ=3〜4歳。⑤けんけん(片足跳び)=4歳頃。スキップ=5歳頃。⑥発達の評価は粗大運動・微細運動・言語・社会性の4領域で行う。⑦発達には順序性があり、頭部から尾部へ、中枢から末梢へ、粗大から微細へ進む。
1分チェック
- 3歳以降に獲得するのは。→ けんけん(片足跳び。4歳頃)。
この問題だけを開く午前 問8段階1 暗記
ハヴィガースト, R. J. Havighust, R. J. が提唱する成人期の発達課題はどれか。
解説
ハヴィガーストが提唱する成人期の発達課題を問う。経済的に自立することである。
この問題で問われていること
発達課題を、提唱者と発達段階の両方で対応づけられるか。
しくみから理解する
ハヴィガーストは、人生を6つの段階(乳幼児期、児童期、青年期、壮年初期、中年期、老年期)に分け、それぞれの段階で達成すべき課題を挙げた。青年期から壮年初期にかけての課題には、職業を選び準備すること、経済的に自立すること、配偶者を選び家庭を築くこと、市民としての責任を果たすことなどが含まれる。したがって、成人期の課題として当てはまるのは、経済的に自立することになる。発達課題は、その段階で達成すれば次の段階へ進みやすくなり、達成できなければ後の段階で困難を生じるという考え方に立つ。
選択肢ごとの確認
選択肢 2身体的衰退を自覚することは、中年期から老年期の課題になる。ハヴィガーストの中年期の課題には、中年期の生理的変化を受け入れて適応することが含まれ、老年期には体力と健康の衰退に適応することが挙げられる。
選択肢 3正、不正の区別がつくことは、児童期の課題になる。良心、道徳性、価値の尺度を発達させることが、この時期の課題として挙げられている。
選択肢 4読み、書き、計算ができることも、児童期の課題になる。基礎的な技能を学ぶことが、学童期の中心的な課題として位置づけられる。
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混同しやすいポイント
誤肢が、中年期・老年期の課題と、児童期の課題で構成されている。つまり、成人期の前後に振り分けられている。発達課題を問う設問では、「どの段階の課題か」を、選択肢の内容から判断することになる。経済的自立と職業の選択は成人期、基礎的技能と道徳性は児童期、身体的衰退への適応は中年期以降、という大まかな対応を持っておけば足りる。
理解を深める
発達段階の理論は複数あり、提唱者ごとに視点が異なる。エリクソンは、心理社会的発達として8段階を挙げ、各段階に危機(達成すべき課題と、達成できなかった場合の状態)を対置した。乳児期=基本的信頼対不信、幼児前期=自律性対恥・疑惑、幼児後期=自主性対罪悪感、学童期=勤勉性対劣等感、青年期=同一性対同一性拡散、成人前期=親密性対孤立、成人期=生殖性対停滞、老年期=統合性対絶望。ピアジェは、認知の発達を4段階(感覚運動期〜2歳、前操作期2〜7歳、具体的操作期7〜11歳、形式的操作期11歳以降)に分けた。フロイトは、心理性的発達として口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期を挙げた。コールバーグは道徳性の発達を3水準6段階に分けた。ハヴィガーストの特徴は、身体の成熟、社会からの要請、そして個人の価値と願望という3つの源から課題が生じると考えた点にある。看護では、対象者がどの発達段階にあり、いま何が課題になっているかを理解することが、関わり方の設計に結びつく。とくに、疾患や入院がその段階の課題の達成を妨げていないかという視点が重要になる。
間違えやすい考え方
提唱者と発達段階を対応づける型で、誤肢が前後の段階の課題である。段階ごとの中心の課題で切る。
5分で振り返る
①ハヴィガーストは人生を6段階(乳幼児期、児童期、青年期、壮年初期、中年期、老年期)に分けた。②成人期の課題=職業の選択と準備、経済的自立、配偶者の選択と家庭の形成、市民としての責任。③児童期=読み書き計算などの基礎的技能、良心と道徳性の発達。④中年期・老年期=生理的変化と体力の衰退への適応。⑤エリクソンは心理社会的発達の8段階(成人期は生殖性対停滞)。⑥ピアジェは認知の発達の4段階。⑦発達課題は、身体の成熟・社会の要請・個人の価値の3つから生じるとされる。
1分チェック
- ハヴィガーストの成人期の課題は。→ 経済的に自立する(職業の選択と家庭の形成も含む)。
この問題だけを開く午前 問9段階1 暗記
令和2年(2020 年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病 院、診療所)の次に多いのはどれか。
解説
令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、示された選択肢のうち医療機関の次に多いものを問う。訪問看護ステーションである。
この問題で問われていること
看護職の働く場の分布を、大きい順に把握しているか。
しくみから理解する
衛生行政報告例(隔年で公表される)によれば、就業看護師の大半は病院と診療所に勤務する。病院がおよそ7割、診療所がおよそ1割強を占め、この2つで8割を超える。令和2年の原表では、医療機関に次いで多いのは介護保険施設等で、訪問看護ステーション(およそ5%程度)はその次にあたる。この設問は4つの選択肢の中での比較であり、示された選択肢の中では訪問看護ステーションが医療機関に次ぐ。以下、社会福祉施設、事業所、学校、保健所、市町村と続く。訪問看護ステーションの就業者数は、地域包括ケアの推進とともに近年著しく増えており、この傾向を知っていれば選べる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1事業所(企業の健康管理部門など)は、産業保健の場として重要だが、就業看護師の数としては訪問看護ステーションより少ない。産業保健では保健師の割合が相対的に高い。
選択肢 2市町村も、看護師の就業場所としては少数になる。行政の場では保健師の割合が高く、看護師の数は限られる。
選択肢 3保健所も同様に、看護師の就業場所としては少数になる。保健所の専門職の中心は保健師と医師になる。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも、保健師の就業場所としては上位に来る場所になる。就業保健師では、市町村が最も多く、次いで保健所、事業所と続く。看護師と保健師で分布がまったく異なる点が、この設問の要点になる。職種を取り違えると、すべて誤ることになる。設問文が「看護師の」と限定していることを確認する。
理解を深める
看護職の就業状況を整理する。就業者数は、看護師がおよそ128万人、准看護師がおよそ28万人、保健師がおよそ5.6万人、助産師がおよそ3.8万人(令和2年)。合計でおよそ166万人になる。就業場所の分布は職種で大きく異なる。看護師=病院が約7割、診療所が約1割、訪問看護ステーションが約5%。准看護師=病院が約4割、診療所が約3割、介護保険施設等が約2割。保健師=市町村が約5割、保健所が約2割、事業所が約1割。助産師=病院が約6割、診療所が約2割、助産所が約5%。近年の傾向としては、訪問看護ステーションと介護保険施設等での就業が増え、地域で働く看護職が増加している。背景には、地域包括ケアシステムの推進、在宅医療の拡大、そして高齢化がある。就業者数と分布は隔年で更新されるため、受験の年に対応する最新の値を確認する必要がある。実務の面では、この分布が、看護基礎教育の中で在宅看護論と地域・在宅看護論が重視されるようになった理由にもつながる。
間違えやすい考え方
統計の順位を問う型で、誤肢が保健師の就業場所の上位である。職種の取り違えに注意する。
5分で振り返る
①就業看護師の分布=病院が約7割、診療所が約1割。令和2年の原表では次に介護保険施設等が多く、訪問看護ステーション(約5%)はその次になる。②保健師の分布=市町村が約5割、次いで保健所、事業所。看護師とはまったく異なる。③就業者数(令和2年)=看護師約128万人、准看護師約28万人、保健師約5.6万人、助産師約3.8万人。④助産師は病院が約6割、診療所が約2割、助産所が約5%。⑤訪問看護ステーションと介護保険施設等での就業は増加傾向にある。⑥背景は地域包括ケアの推進と在宅医療の拡大。⑦衛生行政報告例は隔年で公表され、数値は年で動く。
1分チェック
- 看護師の就業場所で医療機関の次に多いのは。→ 訪問看護ステーション。
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