ハヴィガースト, R. J. Havighust, R. J. が提唱する成人期の発達課題はどれか。
公式正答:1
解説
ハヴィガーストが提唱する成人期の発達課題を問う。経済的に自立することである。
この問題で問われていること
発達課題を、提唱者と発達段階の両方で対応づけられるか。
しくみから理解する
ハヴィガーストは、人生を6つの段階(乳幼児期、児童期、青年期、壮年初期、中年期、老年期)に分け、それぞれの段階で達成すべき課題を挙げた。青年期から壮年初期にかけての課題には、職業を選び準備すること、経済的に自立すること、配偶者を選び家庭を築くこと、市民としての責任を果たすことなどが含まれる。したがって、成人期の課題として当てはまるのは、経済的に自立することになる。発達課題は、その段階で達成すれば次の段階へ進みやすくなり、達成できなければ後の段階で困難を生じるという考え方に立つ。
選択肢ごとの確認
身体的衰退を自覚することは、中年期から老年期の課題になる。ハヴィガーストの中年期の課題には、中年期の生理的変化を受け入れて適応することが含まれ、老年期には体力と健康の衰退に適応することが挙げられる。
正、不正の区別がつくことは、児童期の課題になる。良心、道徳性、価値の尺度を発達させることが、この時期の課題として挙げられている。
読み、書き、計算ができることも、児童期の課題になる。基礎的な技能を学ぶことが、学童期の中心的な課題として位置づけられる。
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混同しやすいポイント
誤肢が、中年期・老年期の課題と、児童期の課題で構成されている。つまり、成人期の前後に振り分けられている。発達課題を問う設問では、「どの段階の課題か」を、選択肢の内容から判断することになる。経済的自立と職業の選択は成人期、基礎的技能と道徳性は児童期、身体的衰退への適応は中年期以降、という大まかな対応を持っておけば足りる。
理解を深める
発達段階の理論は複数あり、提唱者ごとに視点が異なる。エリクソンは、心理社会的発達として8段階を挙げ、各段階に危機(達成すべき課題と、達成できなかった場合の状態)を対置した。乳児期=基本的信頼対不信、幼児前期=自律性対恥・疑惑、幼児後期=自主性対罪悪感、学童期=勤勉性対劣等感、青年期=同一性対同一性拡散、成人前期=親密性対孤立、成人期=生殖性対停滞、老年期=統合性対絶望。ピアジェは、認知の発達を4段階(感覚運動期〜2歳、前操作期2〜7歳、具体的操作期7〜11歳、形式的操作期11歳以降)に分けた。フロイトは、心理性的発達として口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期を挙げた。コールバーグは道徳性の発達を3水準6段階に分けた。ハヴィガーストの特徴は、身体の成熟、社会からの要請、そして個人の価値と願望という3つの源から課題が生じると考えた点にある。看護では、対象者がどの発達段階にあり、いま何が課題になっているかを理解することが、関わり方の設計に結びつく。とくに、疾患や入院がその段階の課題の達成を妨げていないかという視点が重要になる。
間違えやすい考え方
提唱者と発達段階を対応づける型で、誤肢が前後の段階の課題である。段階ごとの中心の課題で切る。
5分で振り返る
①ハヴィガーストは人生を6段階(乳幼児期、児童期、青年期、壮年初期、中年期、老年期)に分けた。②成人期の課題=職業の選択と準備、経済的自立、配偶者の選択と家庭の形成、市民としての責任。③児童期=読み書き計算などの基礎的技能、良心と道徳性の発達。④中年期・老年期=生理的変化と体力の衰退への適応。⑤エリクソンは心理社会的発達の8段階(成人期は生殖性対停滞)。⑥ピアジェは認知の発達の4段階。⑦発達課題は、身体の成熟・社会の要請・個人の価値の3つから生じるとされる。
1分チェック
- ハヴィガーストの成人期の課題は。→ 経済的に自立する(職業の選択と家庭の形成も含む)。
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