小児期から青年期に発症し、運動性チック、音声チック及び汚言の乱用を伴うの はどれか。
公式正答:2
解説
小児期から青年期に発症し、運動性チック、音声チックおよび汚言の乱用を伴うものを問う。トゥレット障害である。
この問題で問われていること
チック症の分類と、代表的な疾患を知っているか。
しくみから理解する
チックは、突発的、急速、反復性の運動または発声を指す。運動チック(まばたき、顔をしかめる、首を振る、肩をすくめる)と、音声チック(咳払い、鼻を鳴らす、叫ぶ、単語を発する)に分けられる。トゥレット障害は、複数の運動チックと1つ以上の音声チックが、1年以上持続するものを指す。一部の患者には汚言症(意図せず卑猥な言葉や不適切な言葉を発する)がみられるが、必発ではない。発症は多くが小児期(4〜6歳頃)で、10〜12歳頃に症状が最も強くなり、その後は改善することが多い。
選択肢ごとの確認
ダウン症候群は、21番染色体のトリソミーによる先天性の疾患になる。特徴的な顔貌、筋緊張の低下、知的発達の遅れ、そして先天性心疾患などの合併症を伴う。チックを特徴とする疾患ではない。
注意欠如・多動性障害は、不注意、多動性、衝動性を特徴とする発達障害になる。トゥレット障害としばしば併存するが、チックそのものを診断の要件とするものではない。
レノックス・ガストー症候群は、小児期に発症する難治性のてんかん性脳症になる。強直発作、非定型欠神発作、脱力発作など複数の発作型を示し、脳波に特徴的な所見(遅棘徐波複合)がみられ、知的機能の低下を伴う。
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混同しやすいポイント
誤肢は、染色体異常、発達障害、てんかんという別の枠組みの疾患になっている。「チック=トゥレット障害」という結びつきを知っていれば直ちに選べる。ただし、汚言症を必発と誤解しないことも重要になる。実際に汚言を伴うのは一部であり、この症状のイメージだけで疾患を語ると、当事者への誤解を広げることになる。
理解を深める
トゥレット障害の理解と支援を整理する。チックは、抑えようとすると一時的に抑えられるが、その後にかえって強く出る。前駆衝動(チックの前に感じるむずむずした感覚)を伴うことが多く、本人はそれを解消するためにチックを行う。ストレス、疲労、緊張、そして注目されることで悪化し、集中している時や睡眠中には減る。併存しやすいものとして、注意欠如・多動性障害、強迫症、学習の困難、不安、抑うつがある。実際には、チックそのものより、これらの併存症や、周囲からの誤解といじめによる二次的な問題の方が、生活への影響が大きいことが多い。支援=①本人と家族、そして学校への心理教育(意図的な行為ではないこと、叱っても止まらないこと、注意を向けると悪化すること)、②環境の調整(からかいへの対応、試験や発表の場面での配慮、別室の用意)、③行動療法(ハビットリバーサル、包括的行動的介入)、④症状が生活に支障をきたす場合の薬物療法。看護では、本人の困りごとを具体的に聞き、「やめなさい」と言わない環境をつくることが、最も基本的な支援になる。多くの場合、思春期以降に軽快するという見通しを伝えることも、本人と家族の支えになる。
間違えやすい考え方
疾患名を問う型で、誤肢が別の枠組みの疾患である。チック=トゥレット障害で切る。汚言は必発ではない。
5分で振り返る
①チック=突発的、急速、反復性の運動または発声。運動チックと音声チックがある。②トゥレット障害=複数の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上持続する。③汚言症は一部にみられるが必発ではない。④発症は多くが4〜6歳頃、10〜12歳頃に最も強くなり、その後改善することが多い。⑤前駆衝動を伴い、抑えようとすると後で強く出る。ストレス・疲労・注目で悪化し、集中時と睡眠中は減る。⑥注意欠如・多動性障害、強迫症、不安、抑うつが併存しやすい。⑦支援=心理教育、環境の調整、行動療法、必要に応じた薬物療法。「やめなさい」と言わない環境をつくる。
1分チェック
- 運動チックと音声チックを伴うのは。→ トゥレット障害。
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