介護保険法と社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を 満たす場合に実施できる医行為はどれか。
公式正答:2
解説
介護保険法と社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に実施できる医行為を問う。喀痰吸引である。
この問題で問われていること
職種ごとの業務範囲を、法的な根拠とともに区別できるか。
しくみから理解する
平成24年(2012年)から、社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、一定の研修を修了し、登録を受けた介護職員等が、医師の指示のもと、喀痰吸引と経管栄養を実施できるようになった。喀痰吸引の範囲は、口腔内、鼻腔内、そして気管カニューレ内部に限られる(気管カニューレより奥の吸引は含まれない)。経管栄養は、胃瘻・腸瘻、そして経鼻経管栄養になる。実施には、①本人または家族の同意、②医師の指示書、③看護職員との連携(計画の作成、状態の確認、記録の共有)、そして④登録された事業者であることが条件になる。
選択肢ごとの確認
摘便は、介護福祉士が実施できる行為に含まれない。直腸の粘膜を損傷し、出血や穿孔を招く危険があり、また迷走神経反射による血圧の低下も起こりうるため、医行為として看護職が行う。
血糖測定も含まれない。穿刺を伴う行為であり、医師または看護職が行う。ただし、患者本人と家族が自己管理として行うことは可能になる。
インスリン注射も含まれない。注射は医行為であり、介護福祉士の業務範囲に含まれない。
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混同しやすいポイント
「喀痰吸引と経管栄養の2つだけ」と覚えるのが確実になる。誤肢はいずれも、身体への侵襲がより大きい行為になる。あわせて、医行為ではないとされる行為(原則として医行為に当たらないもの)も整理しておく。体温の測定、自動血圧計による血圧の測定、パルスオキシメータの装着、軽微な切り傷の処置、一包化された内服薬の内服の介助、湿布の貼付、点眼、坐薬の挿入、鼻腔粘膜への薬剤の噴霧、爪切り(爪と周囲に異常がない場合)、口腔ケア、そして耳垢の除去(耳垢塞栓を除く)などになる。
理解を深める
医療と介護の連携における役割分担を整理する。看護職の役割=保健師助産師看護師法は、看護師の業務を療養上の世話と診療の補助と定める。このうち医師または歯科医師の指示を要するのは診療の補助にあたる行為であり、療養上の世話は看護師が自らの判断で行う領域になる。介護職が喀痰吸引等を行う場合には、①対象者の状態の評価、②計画の作成への参画、③手技の指導と確認、④実施後の状態の確認、⑤緊急時の対応の取り決め、⑥記録による情報の共有を担う。連携がなければ、介護職は安全に実施できない。特定行為研修=看護師については、手順書により特定行為を実施できる仕組みが設けられている(38行為21区分)。医師の包括的な指示のもと、患者の状態を見極めて実施するもので、在宅と施設での医療の提供を支える。多職種の役割=医師、歯科医師、薬剤師、看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、介護福祉士。それぞれの資格の根拠法と業務範囲を押さえておくと、連携の場面で誰に何を依頼できるかが分かる。業務範囲を超えた行為を依頼しない、また求められても行わないことは、利用者の安全と、それぞれの職種の責任を守ることにつながる。
間違えやすい考え方
業務範囲を問う型で、誤肢がより侵襲の大きい行為である。喀痰吸引と経管栄養の2つだけと覚える。
5分で振り返る
①2012年から、研修を修了し登録を受けた介護職員等は、医師の指示のもと喀痰吸引と経管栄養を実施できる。②喀痰吸引の範囲は口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部に限る。③経管栄養は胃瘻・腸瘻、経鼻経管栄養。④条件=本人または家族の同意、医師の指示書、看護職員との連携、登録された事業者。⑤摘便、血糖測定、インスリン注射は含まれない。⑥原則として医行為に当たらないもの=体温測定、自動血圧計による測定、パルスオキシメータの装着、一包化薬の内服介助、湿布、点眼、坐薬の挿入、爪切り(異常がない場合)、口腔ケア。⑦看護職は、評価・計画・指導・確認・緊急時の対応・記録の共有を担う。
1分チェック
- 介護福祉士が条件を満たせば行えるのは。→ 喀痰吸引(と経管栄養)。
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