針刺し事故を防止する方法で適切なのはどれか。
公式正答:4
解説
針刺し事故を防止する方法で適切なものを問う。針専用の廃棄容器は容量が8割程度に達したら処分することである。
この問題で問われていること
事故が起こる場面から、防止の方法を導けるか。
しくみから理解する
針専用の廃棄容器(耐貫通性の容器)が満杯に近づくと、投入した針が容器の口から出たり、押し込む際に手を刺したりする危険が高まる。そのため、容量の8割程度に達したら、それ以上入れずに閉じて処分する。加えて、容器は使用する場所のすぐ近く(ベッドサイド、処置車)に置き、抜針したらその場で直ちに廃棄することが重要になる。針を持ったまま移動する、いったんトレイに置く、といった行動が、事故の機会を増やす。
選択肢ごとの確認
採血時の手袋の着用は、血液曝露を減らす効果はあるが、針刺しそのものを防ぐものではない。ただし、手袋を通過する際に針の表面の血液がある程度ぬぐわれ、体内へ入る血液量が減るとされ、感染のリスクを下げる意味はある。設問は「針刺し事故を防止する方法」を問うており、直接の防止策ではない。
採血部位のアルコール消毒は、刺入部位からの感染を防ぐためのもので、針刺し事故の防止とは関係しない。
抜針した採血針にキャップをすることは、最も避けるべき行為になる。リキャップの操作中に、針先が手に当たって刺さる事故が多く報告されている。原則としてリキャップは行わず、そのまま専用容器へ廃棄する。やむを得ずキャップをする場合は、片手ですくう方法(すくい上げ法)を用いる。
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混同しやすいポイント
誤肢のうち、リキャップは明確な誤りであり、針刺し事故の最大の原因の一つになる。手袋と消毒は、目的が違う。「どの場面で刺すのか」を考えると、①リキャップ時、②廃棄時、③処置中と処置直後、④使用済みの針が放置されている場面、が主になる。それぞれに対応する防止策を持つ。
理解を深める
職業感染の防止を整理する。予防=①リキャップをしない、②使用場所の近くに専用容器を置き、直ちに廃棄する、③容器は8割程度で交換する、④安全装置つきの器材(針が自動的に覆われるもの)を用いる、⑤処置は落ち着いた環境で行い、急がない、⑥使用済みの針を人に手渡さない(ニュートラルゾーンに置く)、⑦手袋を着用する、⑧B型肝炎ワクチンを接種する(医療者に強く推奨される)。事故が起きたとき=①直ちに流水と石けんで洗う(傷口を絞り出すことについては、有効性が確立していないが、血液を洗い流すことが重要になる)、②直ちに報告する(上司、感染対策の担当)、③曝露源の患者の情報を確認する(B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルスの感染の有無)、④必要に応じた対応をとる(B型肝炎ではワクチンと免疫グロブリン、ヒト免疫不全ウイルスでは曝露後予防の内服をできるだけ早く、2時間以内が望ましい)、⑤定期的な検査による経過観察。報告をためらわない文化をつくることが重要で、報告が遅れれば、有効な予防の機会を失う。責任を問うのではなく、事実を集めて仕組みを改善するという姿勢(システムアプローチ)が、組織として求められる。
間違えやすい考え方
防止策を問う型で、誤肢が目的の違うものと、最も避けるべき行為である。刺す場面を考えて切る。
5分で振り返る
①針専用の廃棄容器は容量の8割程度で閉じて処分する。満杯に近づくと投入時に刺す危険が高まる。②容器は使用する場所のすぐ近くに置き、抜針したら直ちに廃棄する。③リキャップは行わない。針刺しの主要な原因になる。やむを得ない場合はすくい上げ法。④手袋の着用は針刺しそのものは防がないが、体内へ入る血液量を減らす。⑤安全装置つきの器材を用いる。使用済みの針を人に手渡さない。⑥B型肝炎ワクチンの接種が強く推奨される。⑦事故が起きたら、直ちに洗い、直ちに報告し、曝露源を確認し、必要な予防を早く開始する。
1分チェック
- 針刺し事故の防止には。→ 専用容器を8割程度で処分する(リキャップは行わない)。
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