安楽な姿勢を保持する体位と枕を挿入する位置の組合せで適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
安楽な姿勢を保持する体位と枕を挿入する位置の組合せで適切なものを問う。側臥位と胸腹部である。
この問題で問われていること
各体位で、どこに隙間ができ、どこに圧がかかるかを考えられるか。
しくみから理解する
側臥位では、上側の上肢と下肢が身体の前へ落ち込み、体幹がねじれやすい。そこで、胸腹部の前に枕やクッションを置き、そこへ上側の上肢を乗せると、肩と胸郭が安定し、体幹のねじれを防げる。あわせて、上側の下肢の下にもクッションを入れて、股関節と膝を軽く屈曲させた位置で支えると、骨盤のねじれと、下側の下肢への圧迫を防げる。背部にもクッションを当てて、体位を保持する。これにより、筋の緊張が減り、圧が分散され、安楽が得られる。
選択肢ごとの確認
シムス位で枕を挿入するのは、腰背部ではない。シムス位は、半腹臥位で、下側の上肢を背中側へ回し、上側の下肢を前方へ大きく屈曲させる体位になる。枕は、頭部、上側の上肢の下、そして上側の下肢の下に入れる。腰背部に枕を入れると、体位そのものが崩れる。
半坐位(ファウラー位)で前胸部に枕を入れることは、呼吸を妨げる。半坐位では、上半身を45度程度挙上し、膝の下にクッションを入れて身体のずり落ちを防ぐ。前胸部に枕を置けば、胸郭の動きが制限される。
腹臥位で枕を挿入するのは、膝窩部ではない。腹臥位では、顔を横に向け、胸部の下、腹部の下(女性では乳房を避ける)、そして下腿の下に枕を入れて、足関節が底屈しないようにする。膝窩部に枕を入れると、膝が過伸展の方向に押され、また下肢の血管を圧迫する。
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混同しやすいポイント
「その体位で、どこが浮き、どこが圧迫され、どこがねじれるか」を考えると、枕を入れる位置が導ける。誤肢は、いずれも体位を崩すか、呼吸や循環を妨げる位置になっている。体位の名称と、枕の位置を丸暗記するのではなく、身体の形と重力の関係から考える。
理解を深める
体位とポジショニングを整理する。目的=安楽、圧の分散(褥瘡の予防)、呼吸と循環の維持、関節の変形の予防、そして誤嚥の予防。主な体位=仰臥位(膝の下に小さなクッションを入れて腰の負担を減らす。踵を浮かせる)、側臥位(30度側臥位が褥瘡の予防に適するとされる。90度では大転子に圧が集中する)、半坐位(呼吸を楽にする。ずり落ちを防ぐ)、坐位(食事、呼吸困難時。前傾姿勢=起坐位は呼吸を最も楽にする)、腹臥位(背側の換気を改善する。呼吸不全の管理で用いられる)、シムス位(浣腸、直腸診、そして妊婦の安楽)、そして砕石位(婦人科と泌尿器科の処置)。ポジショニングの原則=①支持面を広くとる(体重を分散する)、②関節を良肢位に保つ、③隙間を埋める(浮いている部位を支える)、④筋の緊張を確認する(力が抜けているか)、⑤本人に確認する(安楽かどうかは本人にしか分からない)、⑥定期的に変える(2時間を目安とするが、体圧分散寝具を用いる場合はより長い間隔でよいとされる)、⑦ずれと摩擦を防ぐ(引きずらない、背抜きを行う)。褥瘡の好発部位は、体位ごとに異なる(仰臥位=仙骨部、踵、後頭部、肩甲骨部。側臥位=大転子部、腸骨部、外果、耳介。坐位=坐骨結節部)。
間違えやすい考え方
体位と枕の位置を問う型で、誤肢が体位を崩すか、呼吸と循環を妨げる位置である。身体の形と重力で切る。
5分で振り返る
①側臥位では、胸腹部の前にクッションを置き上側の上肢を乗せる。上側の下肢の下にもクッションを入れ、背部も支える。②シムス位では、頭部、上側の上肢の下、上側の下肢の下に枕を入れる。③半坐位では、上半身を45度程度挙上し、膝の下にクッションを入れてずり落ちを防ぐ。前胸部に置くと呼吸を妨げる。④腹臥位では、胸部の下、腹部の下、下腿の下に枕を入れる。膝窩部は不適。⑤30度側臥位が褥瘡の予防に適する(90度では大転子に圧が集中)。⑥ポジショニングの原則=支持面を広く、良肢位、隙間を埋める、筋の緊張を確認、本人に確認、定期的に変える、ずれと摩擦を防ぐ。⑦褥瘡の好発部位は体位ごとに異なる。
1分チェック
- 側臥位で枕を入れるのは。→ 胸腹部の前(上側の上肢を乗せ、体幹のねじれを防ぐ)。
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